ラグナロク・オリジナルストーリー第十参話―盗賊



アリス&イング「あっ!あの時の!」
見慣れた盗賊の顔を見て、二人が声を上げる。
盗賊「はは、また会うとは思ってなかったよ」
頭をかきながら、こちらを向く。隣にいた蒼髪の盗賊も食べるのをやめこちらを向いた。
盗賊「あの時はお騒がせしたっす」
そうアリスの方に頭を下げながらいう。
その時、後ろから何やらぶつぶつと声が聞こえてきた・・・後ろを見る二人。
そこには、目を光らせながら詠唱をするユキの姿があった。
イング「わわっ!ユキ、何詠唱始めてるの!?」
盗賊「ひ〜!や、やっぱ前の事怒ってるんすね〜!」
ユキ「ここで会ったが百年めぇぇぇぇ!!」



アリス「・・・えっと、皆さんはどうしてここへ?」
何とかユキの詠唱を止めさせる事に成功し、一緒にご飯を食べている時であった。
その隣では、片手にフォークを持ちながら盗賊を睨みつけるユキの姿があった。
盗賊「あぁ、そういや説明してなかったな・・・まぁまずは俺等の自己紹介といこうか?」
そう言うと、手にしたフォークを自分の方に向ける。
盗賊「俺の名前はハンク。こっちの事情でお前等のサポートをたまにだがやらしてもらうことになった。よろしくな」
次に、隣の盗賊が手を止める。
盗賊「俺はラップって言うっす。これからよろしくっす」
そう言って笑う。
イング「これからよろしくって・・・?」
その言葉に、少し表情を険しくするハンク。
ハンク「え・・・お前等、まさか何も聞いてないのか?」
その問いかけに頷く。
ラップ「ど、どうするんすかアニキ・・・姐さんと連絡なんて取れないっすよ・・・?」
ハンク「いや、この場合はブリジットさんに連絡・・・って取れる訳ないか・・・」
顔を険しくさせ頭を抑える二人。
そんな二人をよそに、何とユキが声を上げる。
ユキ「ちょっとまって・・・一体どういう事なのか、あいつに聞いてみるわ」
そういいながら、首に下げてあるエンペリウムをいじくる。
その光景を、珍しい物でも見るかの様にハンク達が見ていた。
ユキ「こんな奴と一緒なんてたまったもんじゃないわ・・・っと、繋がった。ブリジットー!返事しなさいよ!」



ブリジット「くぁー・・・どうしたん?」
エンペリウムから情けない声が出てくる。
ハンク「え・・・え?何だあれは?ウィスってこういうのじゃないのか?」
多少困惑しながら、大事にしまっていたウィスをイング達に出す。
イング「えーっと・・・あれはブリジットさんのギルト、「第四強襲部隊」オリジナルのウィスなんだ」
「ほぉぉ〜」と感心したような声を出すと、また視線をユキの持っているウィスに向け直す。
その姿を、横にいたアリスと一緒に笑った。
ユキ「ブリジット!何なのよこいつ等!」
そう怒鳴りつけると、手に持っていたエンペリウムをハンク達に向けた。
ラップ「え、えーっと・・・ブリジットさん、聞こえていますか?前オークダンジョンでお会いしたラップっす!」
ハンク「お、お久しぶりです・・・ハンクです」
両者が同時に声を上げる。
イング達からは何か構えているような姿が変に映ったのはいうまでもない。
ブリジット「にゃはは、どうやら無事に出会えたようですねー・・・って、そんなに強張らなくてもいいよ?」
ラップがまた声を出そうとする前に、また自分の前にエンペリウムを戻す。
ユキ「一体どういう事なのよーーー!」



ブリジット「・・・てな訳で、私の友人が出した条件のせいでそうなった訳、わかった?」
ひとまず、ユキに向かって今までのいきさつを伝えた。
・・・まぁどうせこの後くる言葉は多分あれな訳で・・・
ユキ「そんなの納得できる訳ないでしょーーがぁーーー!」
ブリジット「はい、当たり」
頭を掻きながらウィスと睨めっこを始めると、同じ部屋にいたヤファが気になってこちらへ向かって来た。
ヤファ「どうしたんですか、ブリジットさん?さっきから騒がしいみたいですけど・・・」
少し困った顔をにながらやファに向かって苦笑いをする。
ブリジット「まぁ、これは原因を起こした本人に何とかしてもらうしかないと思うんだがねぇ・・・」



ユキ「もぅ!あんなんで逃げられるなんて不覚だわ!」
不機嫌そうに椅子に座る。
イング「えっと・・・ブリジットさんはどうしてもだめだったら何とかする、だそうです」
そう説明すると、ふぅ・・・とため息をつくハンク。
ハンク「すまないな、二人共・・・まったく、なんでお前はそう問題起こすかなぁ・・・」
そうぼやくハンクを見て、ラップがぼそっと声を出す。
ラップ「いつもはほとんど兄貴が問題起こすじゃないっすか、自分に言えた義理じゃないっす」
ハンク「あはははは、ラップゥ、お前も言う様になったなぁ」
そういうと、ラップも笑いながら手を頭の後ろに回す。
ラップ「真実を言っただけっすよ、あはははは」
ハンク「あははははははははははははは」
ラップ「あれ、何か笑い声が棒読みみたいな・・・」


めきょョッ!!


言い終わる前に、ハンクのチョップがラップにクリーンヒットする。
何も言わず、テーブルに倒れこむラップ。
イング&アリス「わーーーーーー!」
倒れこむラップをみて、二人が大声を上げる。
ユキ「ふん!いい気味だわ!」
この後、この部屋が騒がしくなったのは言うまでもないだろう。



・・・次の日。
起きたばっかの頭を何とか動かしながら、眩しくさしてくる日の光を手で遮る。
イング「ん・・・今日もいい天気みたいだね」
そう言うと、ベットから下りて体を大きくのばす。
イング「ん〜・・・」
少しふらふらしながら、ドアの方に近づいていく。


キィン!


突如刃物と刃物がぶつかりあう音に、覚めてなかった意識が覚醒する。
イング「な、なんだっ!?」
後ろを向くと、手にナイフの様な刃物を持ったハンクとアサシンが装備しているカタールが重なり合っていた。
苦しそうな顔をしながらアサシンを睨みつけるハンク、そのハンクを見て余裕の笑みを浮かべるアサシン。
イング「ど、どうしたんですか!?ハンクさん!」
こっちの声が聞こえてないのか、それとも精一杯なのか、こちらを向こうとはしなかった。
その時であった。
「イング!こいつを説得してくれ〜・・・何だか敵と間違えられているようなんでな」
そうこちらに叫ぶアサシン。そのアサシンを、改めてじーっとみつめる。
イング「・・・ってみたらしさん!」
ハンク「イング、このアサシンは知り合い・・・っか!?」
一気に力を手にしたスチールレートにいれ、一旦距離を取る。
イング「はい、この方はブリジットさんのギルトメンバーです」
それを聞き入れたのか、戦闘態勢を解く。
みたらし「まったく、さっきからそう言っているだろうが・・・でもまぁ」
最後を言い切る前に、まだ息が乱れているハンクに近づいていく。
みたらし「たとえ敵わないとわかっていても仲間の為に戦おうとしたその根性だけは褒めてやるよ」
ポカーンとするハンクをよそに、みたらしは一人納得したかのようにうんうんと頷いている。
みたらし「お前なら頑張れそうだな・・・っと、イング、おはよう。昨日ぶりだな」
そういいながら、周りを見渡す。
イング「は、はぁ・・・」
みたらし「何かおもしろい事になってるそうじゃないか、ついつい顔だしちまった」
そう言いながら、笑うみたらし。
・・・余計にこの話が広がっていきそうだな。
そんな不安を積もらせながら、新しい一日が始まった。



〜つづく〜




〜あとがき〜
ちゃっす!皆様いかがお過ごしでしょうか?ブリジットで御座いますー。
はてさて、とうとう両者のオリジナルキャラが顔を合わせる事となりました!
仲が最悪であるユキとラップ、これからどういった展開を見せるのでしょうか?
次回をおっ楽しみに〜!
それでは♪
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