ラグナロク・オリジナルストーリー第十八話―終演



後ろから、生気をまったく感じられなくなった。
どうやら、ムナックが息を引き取った様だ。
ゆっくりと、顔を上げて騎士の顔を見る。
ブリジットさんを・・・ムナックを殺した騎士をこの時初めてしっかりと見た気がする。
返り血を浴びて少し赤くなった、反吐が出るような顔つきの騎士。
こいつが・・・二人を・・・殺した。



突如、自分の体の中に黒い感情が蠢いているのに気が付いた。
この感情は・・・そう、ブリジットさんと会う前までずっと支配していた感情。
モンスターは、出会った、攻撃された人間に対し攻撃を加える。
モンスター達にとってはそれは普通の行為。
何かわからないけど、人間は憎い存在だ。殺さなくちゃ、自分が殺されてしまう。
自己防衛とはまた違う、何なのかまったくわからない変な感情。
その様な感情が再度自分に戻ってこようとしている。
なんで忘れることができたのだろう・・・と前に何度も考えた事があった。
でも答えはでてこなくて・・・



そんな忘れ去られていた感情が、再度自分を支配せんと蠢いている。
奴がとにかく憎い。憎い・・・憎い、憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い。
止まる事を知らないこの感情は、じょじょに自分の今まで持っていた感情を麻痺させていく。
ナゼガマンヲスル?
自分の脳裏に、ふとその言葉がかすめた。
ヤツハワタシノダイジナヒトヲコロシタ
そう、奴のせいでブリジットさんが死んでしまった。
それだけではない、ムナックまでも私の目の前で殺した。
奴を殺さないと気が済まない。
クヤシイトハオモワナイノカ
悔しい。確かに悔しい。
アイツヲイカシテオイテイイトオモウカ
そんなの絶対に許せない。
ナニヲタメラウ
そう、私は一体何を躊躇っているんだろう?
ブリジットさんと会うまでずっとしてきた事じゃない。

ガマンヲスルヒツヨウハナイ

そう、その通り

タメラウコトハナイ

そう、躊躇う事はない

コロセ

死んじゃえ


ヤファ「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
自分の中で目覚める黒い感情。
もう・・・止められない。



コーヴァ「な・・・どういう事だ・・・?」
目の前で月夜花が一瞬光輝いたと思えば、次に現れたのは本来の姿に戻った月夜花の姿。
手に持った自分の剣が、じょじょに月夜花がいつも所持している武器へと変わっていく。
何が起きているのかがわからない。
錯乱する頭を整理しつつ、愛用の両手剣を再度力強く握り締める。
月夜花からは、異様な程の殺気がこちらに向けられていた。
剣を握っている両手が、汗でびしょびしょに濡れているのが嫌でもわかった。
落ち着かなければ・・・
そう思った瞬間だった。

ドコッ!

嫌な音をたてながら、自分の体が宙に浮いている感覚に捕らわれる。
次に、現実へと引き戻すかの様な横腹と右腕の痛みが自分を襲った。
コーヴァ「ぐはっ・・・!」
声を上げながら、実験器具に叩きつけられる。
横腹がひどく痛む。右腕も、まったく動かない。
両方共骨をやられたか・・・
そんな絶望に満ちた現実が自分に降りかかってきた。
先程まで自分が立っていた場所に、月夜花が佇んでいる。
どうやら、あの武器で横腹と腕を思いっきり叩き、ここまで吹き飛ばされたという訳か・・・
コーヴァ「こんな・・・こんな馬鹿な事があるとはな・・・」
自分を攻撃したという事は、自分の前まで移動してきたという事である。
その姿を、自分はまったく認識すらできなかった。
つまり、奴の動作に自分がまったくついていけていないという事だ。
過去に、何度も月夜花とは対峙してきた。しかし、こんな事は今まで無かった出来事だ・・・
自分はこのまま殺されるな。
幾多もの戦場を体験してきた自分の勘が、そう伝えている。
ひどく冷静に、そう判断している自分がやけに面白い。
コーヴァ「くくく・・・まぁいい、奴を葬った時点でもう王国を邪魔立てする輩はいなくなったと考えてもいいからな」
奴さえいなくなれば、脅威となる存在はいなくなる。
ここで死んだ時点で、再度この作戦を誰かがやり直せばいいだけの話。
自分は国の駒。駒が一つ無くなった所でまったく国に痛みはない。
むしろ国の為にここまでした自分を褒め称えたいくらいだ。



そう考えている内に、月夜花が自分へと一歩、一歩と確実に近づいている。
目の前に着くなり、自分に向けられるのは冷たい視線。
コーヴァ「・・・殺せ。俺の本来の任務は失敗したが・・・代わりに大きな収穫があったからな」
そう言いながら、何とか動かせる片腕で、器用に煙草を吹かす。
血がにじんでしまっているせいか、少し鉄の味がした。
そんな自分を見下ろしながら、月夜花は自分の体程ある武器を大きく振りかぶる。
月夜花「・・・死ね」
そう冷たく言い放ち、自分に向けて武器を振り下ろす。
視界が、一瞬にして暗くなった。



腕が・・・横腹の痛みが全然引かない。
何だ、死んでも痛みというのは消えない物なのか?
それに何だ、この自分の顔に降りかかる冷たい水は・・・
そう思いながら、ゆっくりと目を開ける・・・
コーヴァ「な!?」
一瞬理解がまったく出来なかった。
幻でも見ているかのような感覚に捕らわれる。しかし、現実として起きているこの事態。
目の前には・・・
左腕を無くし、その傷口から大量の鮮血を流しながら立ち尽くす一人の騎士・・・そう、ブリジットの姿があった。
ブリジット「っと、少々お時間を頂けますかねー・・・やる事があるので」
そう自分に言い放つと、ゆっくりと前の方へ歩いていく。



左腕がないせいか、ひどくバランスがとりにくい。少々ふらふらしているのがわかった。
苦笑しながら前を向くと、目に飛び込んできたのは錯乱状態のヤファの顔。
顔を左右に振りながら、武器を手から離していた。
ヤファ「やぁ・・・いやぁ・・・」
自分のした事を目の当たりにしてだろう、自分が来るのをかたくなに拒む。
ブリジット「ヤファ・・・」
自分の返り血を浴びて、真っ赤になったヤファ。
先程の状態だったら全然平気だっただろう。しかし、「月夜花」から「ヤファ」へ戻った彼女の精神が、この状況を耐え切れるとは思えない。
このままでは精神崩壊を起こしかねないな・・・
少し近づくのを躊躇ったが、それを振り切るかの様に歩き始める。
ヤファ「いやっ、いやっ・・・」
自分の真っ赤になった鎧を、泣きながら力無しに叩く。
ブリジット「そのままじゃヤファの手が腫れ上がるよ」
片手で何とか叩くのを止めさせようとするが、一向に収ろうとはしない。
ブリジット「・・・!?」
一瞬痛みが体中を走り、多量の血を口から吐き出す。
今ので傷口が広がったか・・・
ヤファ「あっ・・・ご、ごめんなさい」
その光景を見て、まるで子犬の様に小さくなってしまう。
ブリジット「あぁ・・・いやいや、気にする事はないさ」
すっと、ヤファの方に向けて片手を伸ばす。
びくっ、と体を震わせ目を閉じる。殴られたりするとか思っているのだろうか。
ヤファ「あ・・・」
ヤファの頭にぽん、と手をのせる。
ブリジット「すまないね、私が不甲斐無いばかりに・・・」
謝罪の念を込みながら、ゆっくりとヤファを撫でる。
撫でるのがこそばゆいのか、少しだけ目をつぶる。
ブリジット「ヤファはよくがぬばったよ・・・後は私に任せていいから、ゆっくり休んで・・・」

トン・・・

軽く、ヤファの首を叩く。
すぐに、体が軽く揺れながらこちらに体重をあずけてきた。
ブリジット「そう、ゆっくり休んで下さい・・・」
小さくそう呟きながら、近くの壁に寄りかかるような状態でヤファを地面へと置く。
よほど疲れているのだろう、表情を見てまるで寝ているかの様な錯覚を覚えてしまう。
もう一回だけ頭を一撫でした後、少しだけ微笑を浮かべながら、元来た道を戻っていく。



コーヴァ「・・・驚いたな、本当に悪魔だったとは思いもしなかった」
武器が持てないという時点で助かるという選択肢を捨てているのだろう、発せられる言葉は挑発の言葉のみ。
少しだけ肩をすくめながら、足を止める。
ブリジット「あぁ・・・ここにありましたか」
すっとしゃがみ込み、地面にあった自分の片腕を拾う。
ブリジット「あー・・・まったく、やはり痛いもんは痛いもんだ・・・フフ」
初めとまったく雰囲気を変えず、絶えずに微笑の表情を変えない。
そんな姿がひどく恐ろしい光景として写った。
ブリジット「いやはや、残念でしたねぇ・・・貴方の予定がすべて狂ってしまって」
片腕を無くし、片目を無くし、胸に穴を開けてなおも話す事が出来る。
こいつ・・・一体何なんだ?


ブリジット「そういえば・・・よく私は貴方達から悪魔だの死神だの、随分酷い様に言われていますが・・・」
こちらから視線を外し、どこか遠くに視線を向ける。
その目には光が・・・宿っていない。
ブリジット「悪魔、死神ですか・・・フフ、それでいい。私はそうでなければいけないのですから・・・」
微笑を浮かべながら、言い終わると共にこちらを向いた。
ブリジット「悪魔は恐怖と絶望を、死神は死と静寂を与えます」
冷や汗が、自分の頬を伝うのがわかる。
そんな自分の状況をあざ笑うかの様な、ゆっくりとした口調。
ブリジット「貴方には・・・そうですね、生というものを諦めている様ですし・・・素敵な余興でも楽しんで頂きますか」
自分の腕を床に置き、自分の懐から一枚の御札を取り出す。
奴の血を一身に受け、真っ赤に染まった御札だ。
それを持ちながら、目の前まで近づいてくる。
コーヴァ「何を・・・する気だ」
骨が折れているせいか、意識が熱を持っているせいでくらくらする。
ブリジット「言ったでしょう?余興ですよ・・・そう、それはそれは素敵な余興を・・・」
そう言うなり、何かを呟きながら自分の額の前に御札をかざす。
意識が薄れていく感覚に捕らわれる中、見えたのはブリジットの狂気に歪んだ表情。
ブリジット「大丈夫、殺しはしませんよ・・・フフ、まぁ死んだ方がましと思うかもしれませんがねぇ」
それが、最後に聞こえた言葉だった。



コーヴァ「・・・な!?」
実験室の機材によって押さえつけられた自分の体。
先程とのあまりの違いに、一瞬混乱してしまう。
「さて・・・まずはこいつから始めるか」
そう言いながら誰かが近づいてくる。
コーヴァ「!?」
目の前に来た人物の顔を見て、声を失ってしまった。
何と自分・・・そう、「コーヴァ」だった。
まさか・・・そんな、そんな事が!
この状況・・・自分がしてきた事を巡っているのだとしたら。
そんな絶望的な考えが脳裏をよぎる。
「さて、と・・・まずはこいつの体の一部づつを取っていくか・・・」
覚えている・・・この後各部分を一個づつそのメスで取り外していき、そして、そして・・・。
「始めるぞ」
コーヴァ「う、うわぁぁぁぁぁぁ!」



ブリジット「転生を望むなら消え・・・元に戻りたいなら卵に戻って下さい」
そう、ソヒーの亡骸に向かってポツリと呟く。
すると、ソヒーの亡骸が一瞬宙に浮き、亡骸が消えてなくなっていく。
最後に地面に、こと・・・と音を立てながら卵が誕生する。新たな生命を宿した、卵が。
ブリジット「貴方の意思を承諾します。元のいた場所に戻っていいですよ・・・」
言葉が言い終わると共に、卵の姿は消えてなくなっていた。
ブリジット「後は・・・彼女だけですか」
激しい眠気に襲われる自分の意識を何とか奮い起こしながら、ムナックへと近づいていく。
彼女には今回迷惑を掛けてしまった・・・丁寧に弔わねば。
ブリジット「貴方の望む様にして差し上げます・・・思い描いてください、貴方の望む世界を」
ポツリ、そう呟くと、他のモンスターと同じ様に宙にその亡骸が浮かび、消えてなくなる。
そして先程と同じ様に、地面に卵が現れる。
それを丁寧に拾った瞬間、ぐらっと大きく地面に倒れてしまう。
ブリジット「少し寝ないとこれ以上は・・・厳しいかなぁ」
自分の意識が、今にもどこかへ飛んでいってしまう様な感覚に捕らわれていた。
ブリジット「あとは送り届けるだけの作業なんですがねぇ・・・」
丁寧にムナックの卵を抱きかかえながら、近くにあった椅子へ腰掛ける。
卵を手で大事に持ち抱えながら、膝元に手と一緒に乗せる。
ブリジット「少しくらい・・・寝てもいいかな」
静かに、誰にも確認されずに、この作戦は終了した。



「起ーきーるーアールゥ〜」
自分にとって一番の幸せの時間の終わりを告げる、目覚ましの言葉。
ブリジット「ん〜・・・もうちょっとだけ寝かしてぇ〜・・・」
こういって、次にヤファが取る手段は決まって一つ。段々声が泣き声に変わって、それで急いで私が起きる。
そんな他愛もないやり取り。でも・・・今日は違っていた。
「ぶー、起きる気がないなら・・・えい!」
急に息ができなくなる。
どうやら何かに押しつぶされている様だ。
じたばたともがきながら、何とかくっついている何かを引き剥がす。
ブリジット「げほげほ・・・や、やぁヤファ、随分と殺人的起こし方だねぇ」
「ヤファ?・・・あぁ、月夜花様の事アルか?ボクは月夜花様じゃないアル!」
ブリジット「・・・え?」
・・・語尾にアル?
おかしい、何かがおかしい。
重いまぶたを何とか開ける努力をしながら、目の前にいる人物に向けて視線を向ける。
そこには・・・



ブリジット「!?」
「・・・えへへ」
照れ隠しに頬を掻きながら、こちらに向けてにっこりと笑うムナックが一人。
ドクン・・・ドクン・・・。
心臓が異常な程高鳴っている。
そんな、まさか・・・
いつも微笑を崩さない自分の顔、今は絶対に笑っていないだろう。
それだけ、自分は今動揺している。
そんな自分を見ながら、ムナックの表情がじょじょに崩れていく。
そして一言。


ムナック「・・・ただいまアルっ」
耐えられなくなったのか、目に涙を溜めながら抱きついてきた。
ムナック「やっと・・・やっとご主人様の所に帰ってこれたアル!」
痛いくらいに強く腕に力を入れているのが解った。
ブリジット「ほんとに・・・ほんとに"君"なのか?」
まだ心臓の高鳴りは収まりそうになかった。
そんな自分を何とか落ち着かせながら、来るべき返答を待つ。
ムナック「・・・はいアル。えへへ、本当に懐かしいアルゥ・・・」
泣きながら、自分の頬にすりすりと自分の頬を合わす。
ムナック「昔はこうやったらご主人様が照れてすぐ引き剥がしたアル・・・覚えてるアルカ?」

ドクン

一瞬、異様な程までの大きな胸の音が鳴り響いたかの様な錯覚を覚える。
それ程までに、今の言葉は自分にとって強烈な言葉であった。
ブリジット「はは・・・くすぐったいな・・・」
ツー・・・
自分の頬を涙が濡らしているのがわかった。
しかしそんな事はどうでもいい。
やっと・・・やっと、彼女が戻ってきたんだ。
ブリジット「おかえり」
そう言い、ムナックの頭を撫でた。



ムナック「えへへ・・・頭を撫でられるのも懐かしいアルー」
抱きつくのをやめ、ごしごしと自分の目を手で擦る。
ムナック「でもご主人様も随分と成長したみたいアル」
自分をまじまじと見つめながら、突如そんな事を言い出してきた。
そんなムナックを見ながら、つい少しだけ吹き出してしまう。
ブリジット「ははは・・・そりゃそうさ、私だって伊達にこの時を生きている訳じゃないよ?」
胸を張りながら、どうどうとその問いかけに答える。
そんな自分を見ながら、少々納得のいかない表情を浮かべる。
ムナック「でもおかしいアル・・・あれだけは絶対に直ってないと思ってたのに」
急に声のテンションが変わった事に、ふと疑問が浮かぶ。
・・・一体何が言いたいのだろう?
ブリジット「何が言いた・・・」
次の言葉を言う前に、声が止まってしまう。
ムナック「どうしたアル〜?」
ブリジット「!!」
自分の視線から、急スピードでムナックの姿を消す。
そして、理解する。
ブリジット「な、ななななな・・・」
・・・そういう事を言いたかったのかね、ムナック君。
ちょっとだけ視線を戻し、ムナックの顔だけを自分の目に映す。
そこには・・・
ムナック「・・・やぁーっぱしダメみたいアルねぇ・・・」
目を光らせながら、まるで獲物を見るかのように目を光らせる裸のムナックの姿があった。



ブリジット「・・・まて、話し合おう、話し合おうよ、ね?だから私の方に来ないで、ね?」
じりじりと後ろに後退しながら何とか説得を続ける。
しかし・・・
ムナック「ボクはご主人様との再開を楽しみたいだけアル〜・・・」
尚も自分への進行は止めずに、じりじりと近づいてくる。
ムナックの方を向いていない為に断定はできないが・・・。
・・・絶対今笑ってるな。
そう少し考えてしまったのが運の終わりだった。


ブリジット「ぐっ!」
突如自分の顔が何かに押しつぶされる。
ムナック「えへへぇ〜、捕まえたアルゥ〜」
ブリジット「わ、わわわわわわわ!!」
自分の顔にくっついているムナックを何とか剥がそうと奮闘する。
しかし、両腕でしっかりと抱きつかれてしまってる為に剥がす事か出来ない。
ブリジット「か、勘弁してくれぇ〜!」
ぐっと腕を押し出し、何とか引き剥がす事に成功した。
・・・でも、何で抵抗しないんだろう?
ムナック「ご、ご主人様ぁ・・・今日は随分と積極的アル〜」
目を閉じながらぽっ、と顔を赤らめる。
ブリジット「・・・え?」
恐る恐る手の先を向ける。
ブリジット「あぁ、胸だね・・・ってわぁ!!」
言葉の意味を理解したのか、急にムナックの全体重がかかっている片腕をどかしてしまう。
ムナック「ご、ご主人様!?」
ムナックの体がこちらに向かって倒れてくる。
ブリジット「わっ」
こちらも半ば傾き気味の姿勢だった為に、抑えきれずそのまま地面に押し倒される形となってしまった。
ムナック「・・・結果オーライアル〜」
突如両腕を自分の首に回し、ぎゅっと抱きしめられてしまう。
ブリジット「ム、ムナ!?」
ムナック「もう放さないアルゥ〜」
首をしっかりともたれてしまっては。片腕では到底引き剥がす事は出来ない。
しかもこの頬に当たるものは・・・いやいやいやいやいや。
ムナック「〜♪」
丁寧に鼻歌を歌いながら、相変わらず腕の力を弱めようとはしてくれない。
・・・あぁ、何か川が見えてきました。



ムナック「・・・あれ?どうして動かないアルか?」
あまりにも動かないのが心配になってきて、ちょっとだけ力を緩めてブリジットの顔を覗き込む。
そこには顔を真っ赤にさせ、目を回すブリジットの顔があった。
そんな顔を見ながら、少しだけ吹き出してしまう。
ムナック「あはは・・・ご主人様のその表情、懐かしいアル〜」
頬を熱い物が伝っている。
これは嬉し泣き。
再度ご主人様に会えた事に対する喜びと感謝の涙。
ムナック「ご主人様、ボクは帰ってきたアル・・・帰ってきたアルよ・・・」
自分でもまだ信じ切れてないこの出来事を確認するかのように、何度も、何度もその言葉を繰り返す。
そして、優しく抱きついた。



つづく




〜あとがき〜
こんちゃっ!春休み最後って訳で急いでアップアップ!ブリジットで御座います。
まぁぶっちゃけもっと前(16話)辺りんときからもう出来てたんですが・・・
最後がやりすぎかもしれないのでアップしようか迷ってた訳で(核爆
すみませんが、さらりと流してお読み下さい(汗
今回でひとまず今回の作戦に関するお話は終了となります。ただ、あとちょっとだけ引張るかもしれませんが・・・
次辺りから新たなお話が顔を見せる事になるかと。まぁ少々お待ちくださいw
一体このムナックが何なのであるかも気になる所ですね。
それでは♪
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