ラグナロク・オリジナルストーリー第弐話―災難日


イングとアリスがようやく中央の泉の方へ近づいてきた。
アリス「ふぅ、あとちょっと・・・あ!見えたわ、あそこね!」
泉の近くまでやっとついた時である。こちらに赤い髪の男性が近づいてきた。
・・・どうやら外見からアサシンの方みたいだ。
アサシンとは盗賊という職の上に立つ人達である。
闇の世界をまたにかけ動く戦闘のプロ達の総称なのだ・・・そう習ったきがする。
そのアサシンは身に付けていたサングラスを近くで取るなり、イングにむかって突如声をかけてきた。
男性「すまない、少々質問に答えてほしい。君は・・・ブリジット殿という知り合いはいないか?」
澄んだ低めの声が、二人の耳をすぅっと通る。
あ!と声を軽く上げ、アリスがイングの方を向く。
アリス「前いってた知り合いの冒険者の名前って、確かブリジットさんっていうんだよね?」
イング「うん、そうだよ・・・てことはあなたはブリジットさんの知り合いか何かですか?」
するとそのアサシンは軽く頷き、話を続けた。
男性「あぁ、私は彼のギルトメンバーだ・・・それよりも君達に頼みたい事がある。」
何か急ぎの用らしい。
そのアサシンは一息いれたつかの間、話をどんどん進めていった。
男性「深い事情は後で話す。頼むから私の後についてきてほしい。・・・時間が惜しい、すぐいこう!」
すると、その男性は喋り終わったと同時に猛スピードで急に走り始めた。
呆けて二人がついつい立ち往生していると、アリスがはっとしてイングに声を掛けた。
アリス「わ、すっごく走るのはやぃ・・・じゃなくて!イング!早くいかないと置いていかれるわよ!早くいこっ!」
イング「あ・・・そうだよね!早くおいかけなきゃ!でもブリジットさんに一体何が・・・?」
イングは嫌な考えが脳裏によぎったがそれを振りほどき必至になってアリスと一緒にその男性の後をついていった。



やっと中央泉のすぐ近くにつくなり、何やら激しい罵声の声がすぐ聞こえた。
どうやら片方は女性のマジシャン。
もぅ片方は・・・ムナック帽子を被ったペコペコに乗った男性の騎士である。
マジシャンとは、多彩な魔法を使う職の事であり、騎士とは剣士を極めた者がなれる剣士の次の職である。
ようやく言い争ってる二人の顔が見える所まで近づいてきた。
・・・片方は、非常に見覚えのある顔。
イング「あの、これは一体?あの騎士、ブリジットさんじゃないですか・・・」
そう、つい少々戸惑いながら声を上げる。
そのアサシンは、もぅお手上げ、と言った表情で話した。
男性「見ての通りだ・・・すまないがなんとかしてくれ。私では止められなかったのだよ・・・」
そう言って、ちょっとだけ寂しそうな表情を見せる。
仕方が無い、といった感じで二人へとイングが近づいていった。
一旦言い争いが終わりにらみ合ってる二人の前まできて声をかけようとしたその時。



マジシャン「いいじゃないのよ〜!私もあなたのギルトにいれてってば〜〜!!」
ブリジット「だからね・・・はぁ、何度言えば君はわかってくれるんだよぉ・・・」
しまった、一足遅かったか。
すると、ブリジットがこちらを急に振り返った。
即座に助かった!という感じの表情をしながらすぐさま声を掛けてきた。
ブリジット「お!イングじゃないか!その姿だと・・・試験合格したみたいだな!おめでとう!」
そう言いながら、軽くガッツポーズをしてみせる。
その間に、さっき声を上げていた女性のマジシャンがブリジットにつめよってきていた。
マジシャン「さっき言ってた知り合いの方ね・・・しょうがないわね、一旦黙っててあげるから早くしなさいよ!」
そう言うとそのマジシャンは急にしゅん、と静かになる。
さっきの姿とは想像もつかない姿である。
やれやれ、といった表情でブリジットが自分達のとこへ向かってきた。



ブリジット「すまないね、ちょっとこちらの話し合いだからあれは気にしないでくれぇ・・・時さん、呼んできてくれてありがとう。」
その声に頷き、”時”と呼ばれたそのアサシンが軽くこちらに視線を向ける。
時「申し遅れてすまない、改めて自己紹介させて頂く。私の名前は時の番人、先程言った通りブリジット殿のギルトに入っている。以後お見知りおきを。」
そういうと時はこちらに向かって軽くお辞儀をした。
慌てて二人も、深々とお辞儀をし返す。


すると、ブリジットがちょっとびっくりしたような、意外というような表情をしていた。
・・・どうしたんだろう?
そう思っていると、アリスの顔を見て自分に声をかけてきた。
ブリジット「なんだ、あの女性は誰なんだい?・・・はは〜ん、お前まさか初心者訓練所でナンパしてきたなぁ?」
赤面して吹き出すイング。
そんなイングを、にやにやしながらからかう。
その光景を見ながら、まってましたと言わんばかりにアリスが前へ出てきた。
アリス「初めましてブリジットさん!イングとPTを組む事になりましたアリス・メーベントと言います!よろしくねっ!」
そう威勢よく声を上げ、さっと手を出す
ブリジット「あい、よろしくお願いしますね」
そう言って、がしっとその手を握った。



ブリジット「おっと、では一応自己紹介しとかないとね。私はブリジット、一応ギルトなんかも運営しているよ。アリスさん、以後お見知りおきを」
そう言って、再度屈託の無い笑顔を向ける。
それに反応するかのように、アリスもくすっと笑って返した。
ブリジット「さて、まずは君達が一次職になれるまで私と時さんで君達をサポートさせてもらうよ!君達準備はいいかい?」
急に聞かれたので、アリスもイングも焦ってしまったが、急いで二人が頷く。
その光景を、少々笑いながらブリジットが話を進めた。
ブリジット「よし、では私とイング、時さんとアリスさんというメンバーで早速行動だ。」


少し咳き込みながら、ブリジットが話の続きを言う。
ブリジット「ひとまず職になれるまで戦うぞ!そして職になったらまたここモロクに集合だぞ!わかったかね諸君!」
イング「なんかもっと詳しい集合場所きめておかないんですか?」
その質問に対し当然だな、といった表情でイングを見るブリジット。
ブリジット「場所はここモロク中央の泉!どちらかがいなかったら何時でもかかろうがまってろよ!では健闘を祈る!ではまた後で!」



マジシャン「ちょっと待てこの馬鹿ぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
イングが後ろを見るなり、おぞましい形相でブリジットめがけて拳を振るわんとする先程のマジシャンの姿があった。
ブリジット「甘いな!君の動きなんぞもぅ予想していたわぁ!」
突如後ろを向くなり、大きく振りがぶって全身全霊ともいえるチョップをそのマジシャンのおでこに命中させた。
マジシャン「いたっ!いっ・・・いたいよぉ・・・」
あ、泣き出しそう・・・そんな言葉が、イングの脳裏をかすめる。
予想は当たったのか当たらなかったのか・・・マジシャンは、小さくうめきながらしゃがんでいる。
ブリジット「あ・・・え、えぇ!?そ、そんなに痛かった!?わわわ、ど、どうしよう・・・」
はたから見てもわかるくらいに、慌てふためく。
すると、急にその女性の顔つきが変わりブリジットめがけて拳をふるった。


マジシャン「私があの程度で泣くとでも!?今度こそ覚悟ーー!!」
ブリジット「なんてね♪・・・君も進化がないなぁ・・・それっ」
その声とともに、手にしていた剣の鞘でその女性の足を軽く払った。
ずしゃぁっ!という擬音が似合いそうな感じで、顔面から直で地面のダイブする。
・・・うぁ、痛そう。
マジシャン「くぅぅ、不覚ぅぅぅぅ・・・」
そういってそのまま地にふせるマジシャン
イング「ブリジットさん、さっきから聞こうとしたんだけど・・・この人誰なの?」
そう聞くとブリジットは地にふせたマジシャンになむ〜、というなりこちらに振り返った。
ブリジット「あぁ、この娘ね。えと、さっきピラミッド一階で敵に囲まれてた所を援護したんだよ・・・そしたら」
イング「そしたら?」
そう言うとなりふぅ、と一息つけてからブリジットがまた話し出した。


ブリジット「いやなに、援護した時運悪く私の剣がこの娘の頭に当たっちゃって・・・あ、切れない所だよ、当たったの。
      そしたら気絶しちゃってさ・・・起きるなり責任とれぇーーーー!だよ?超困ったよぉ・・・」
その話に少々表情を固くするイングとアリス。
な、何ともいいがたいなぁ、と思う自分達はおかしいのだろうか?
すると急にその女性が起き上がり、話に乱入してきた。
マジシャン「戦ってたらいきなりこいつの剣ぶつけられたのよ!?責任取って当然だと思わない!?」
確かにね、とイングがつぶやく。
マジシャンはにやりと笑い、味方ができた、といわんばかりの顔で話をすすめていく。
マジシャン「一応自己紹介しとくわ。私の名前はユキ・フランベル。見ての通りマジシャンよ!・・・なったばっかだけど。」
後の方の言葉は聞こえないくらいの声で喋った。
どうやらちょっと気にしてるらしい。
ユキ「で!責任って事で面倒みてもらいましょうか!といったらこいつ、それは駄目とかいうのよ!?おかしくない!?」
その発言に対し時の番人が少し待った、といった表情で話しに入ってきた。
時「しかし、君は我々と一緒に行動するには危険すぎると先程からいっているだろうが。何故ブリジット殿の話がわからんのだ?」
その言葉にユキも負けずにくってかかる。
ユキ「そんなのしってるわよぅ!でも貴方達といた方が・・・その、おもしろそうじゃないのよ!」
多少言葉を濁らしたもののそう答えるユキ。



にらみ合いとなってる時ブリジットが二人に向かってこういった。
ブリジット「すまないユキさん、まずはこいつ等を一次職にしなければならないんだよ。話は後で聞くからここで待っててもらえないかい?」
そう優しくいうブリジットに対してくってかかるユキ。
ユキ「あ!そう言って逃げるつもりでしょ!そうはさせないんだから!どうしてもってなら何か大事な物私にいますぐ渡していきなさいよ!」
また時が声をかけようとしたがそれをブリジットが静止させ、話を続けていく。
ブリジット「仕方が無い・・・では私が今乗っているペコペコを君に預ける。でも条件だ、ここから絶対動かないでほしい。いいね?」
その問いかけに対し威勢よくうなずき、その姿を確認してからペコペコから降り預けるブリジット。
するともぅここにいたくない、といった表情で時の番人がブリジットに声をかけた。
時「・・・すまない、時間が惜しいので先にいかせて頂く。アリス殿、行こう。」
そういい捨てるなりモロクの北口へと向かう時の番人。すると慌ててアリスもついていく。
アリス「わわ、待ってくださいよ〜!・・・あ!じゃぁまた後でねイング!今度はアコライトでの再開よ!」
そういうとなり、アリスは急いで時の番人の後ろにくっついていった。
その後姿を、厳しい表情でブリジットが見つめていた。
ブリジット「・・・さて!私達も早速いこうか!ユキさん、絶対動かないで下さいね!私達必ず日が上がってる内に戻ってきますから!」
ユキ「むきー!私子供じゃないんだからそんな言われなくてもわかってるわよ!・・・早く帰ってこなかったら殴るわよ!」
そういうとなり、ユキはペコペコの上に乗って泉の方へ戻っていった。
少々その背中が、寂しそうに見えた。
ブリジット「外見も中身も十分子供だっての・・・おっと、急がないと時間がなくなるね。さて行こうか!」
そう言うとなりブリジットとイングはモロク北口に向かって歩き始めた。
・・・なんか後ろが騒がしいのは気のせいだろう。



ユキ「聞こえてたからねブリジットーーー!!私これでも18歳よ!?こんの・・・帰ってきたら絶対殴らせてもらうわよ!」
ブリジット「・・・そういう行動も子供だっつーに。まったくあいつは・・・あぁぁ、ペコペコに乗ってた方が楽だよぉ・・・。」
ブリジットの後姿が何か悲哀感なるものが出ていた。
この人もあいかわらずだな、と笑いながらイングはブリジットの後についてった。


その後北口についてから「嘘!?18歳!?まじで!?」と一人ブリジットが素でびびっていたのはいうまでもないだろう。




つづく




〜あとがき〜
こんにちわ、何とか生き残っておりますw ブリジットでござ−い。
さて第弐話、宣言通り私などのラグナロクに実際居るメンツが登場しております。
今後も私のギルトメンバーなどを出演させるつもりです。・・・実際その方が話がスムーズに・・・いってないんですね現状(苦笑
どうしても長くなってしまい予定通りに進んでないが現状っす。・・・もちっとほのぼのとした雰囲気を堪能して下さいw
新たなキャラも登場しましたし、今後に期待ですよっ!それでは♪
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