ラグナロク・オリジナルストーリー第弐拾六話―目覚め


綺麗な夕焼けが静かに落ちていく。
それは、これから夜が始まるという証であり印だ。

どこの街も夜となれば静かなものだが、ここ「モロク」は夜になると一層の活気が付く。
それは、仕事を終えた人が酒場で賑わう為。
それは、モロクの暗殺者の活動時間の為。



カタリナの家に泊まらせてもらっいてから早二日が経っていた。
イング達はここに帰ってくるであろうブリジットを。
ハンク達は、いずれ目覚めるであろうフェイを今か今かと待ち続けていた。

フェイは、人が触れてはならないと言われている一般の人が知る事などないであろう「禁術」に手を出した。
それは、自分の目を奪い・・・時の番人を、そして妹を傷つけた恨みが生みし行ってはならない道。

禁術は、手を出すと必ず何かしら対象者に試練を与えるという。
それにより命を落とすもの・・・禁術に乗っ取られて暴走を起こす者。
伊達に禁術とよばれているわけではないということだ。

それでもフェイはその禁術という道をあえてとった。
それは何故か?

彼女には、どうしても「力」が欲しかったのだ。


禁術を追うものは、何人であろうと必ず「欲」を持ち手を伸ばす。
ある者は知識を、ある者は富を。

そして、フェイは「力」を。

フェイをそうさせた根本的原因である「玉藻前」。
片目を眼帯で覆い隠し、素性もまったくわからない謎の騎士。
ただ判っていることは、人間離れした能力のようなものを持っている事。
その力に、ただフェイと時は何も出来ずに惨敗してしまう。

それが、フェイにとって禁術という道を開かせる原因となった。
彼女は欲した・・・力を、玉藻前を殺せる力を。

そして、彼女は手に入れた。

その過程で、さまざまな事があったのは言うまでもない。
ただ彼女は確信する。

この力があれば、玉藻前と戦えると。

奴を・・・殺せると。



ブリジットは、この世界でトップの「犯罪者」として日夜指名手配される人物である。
彼もまた、素性を知る人物はいない。

ただ、彼は気まぐれに表世界へでてきては何か大きな大事件を起こしてぶらりとのんびりとした姿でゆっくりとすごす。

彼は犯罪者と呼ばれる割には隠れるという行為をせずに、見つける事は非常に容易だ。
ただ。

見つけるのが簡単だからといって、誰も彼を一重に殺しにかかりはしない。

彼の肩書きには、今までの数々の事件の内容がふんだんに盛り込まれていた。
その肩書きが。
実際に彼を襲って、戻ってきた者が。
彼を襲おうとする人にストップをかけているのだ。

彼が一躍有名になったのは、過去にあった戦争・・・に近い紛争で起こった物が切っ掛けだったらしい。
裏の世界に通じる者にはもはや伝説に近い扱いをうけているこの話。
人は口々にいう。

「奴に関わるな」と。

彼は気まぐれに動き気まぐれに姿を現す。
その姿は、時に地へ降り立ち人々に災難を降り注ぐ「死神・悪魔」の異名の如く。


そんな二人を待つその五人にも、またモロクの夜が訪れようとしていた・・・



イング「・・・二日、かぁ」
このカタリナの酒場に泊めてもらってから早二日。
結局聞けてないのだが、何故かイング達の目的であるブリジットの姿は確認できていない。
ユキ「・・・あーもう!」
声を荒げながら、目の前にある食事を口に運んでいくユキ。
ブリジットに会えないわ、WISしても返答がないわでイライラしているのであろうか、雰囲気がぎすぎすとしていた。
そんな雰囲気を壊すかのごとく、ドタバタとうるさい音を立てて階段の音。
一同が注目したその視線の先にいたもの。
それは青い髪を携えた盗賊・・・
ラップ「ア、アニキ!」
階段から顔をのぞかせたのはラップ。
かなり焦った様子を見せながらアニキと呼ばれたハンクの元へと走っていく。
目の前にあった肉を詰まらせたのか、のど元をドンドンと叩きながらラップを見る。
そのラップの表情は、何か嬉しげな表情をしていた。
ラップの口が、大きく広げられる。

ラップ「姐さんが!!」

ハンク「むぐぅ!!」
さそがし驚いたのだろう、さらに苦しげな表情を浮かべるハンク。
そして・・・

フェイ「なにしてんのよ、アンタ達・・・」

後ろに立っていたのは、焦る二人組を少々あきれた表情で見つめるひとりのアサシン。
そう、ハンク達が待ちわびていた人物。
禁術に手を出して寝込んでいた人物・・・
フェイ「久しぶりね」
そう言って軽く二人に手を振った。
フェイ=ヴァレンタインの復活である。



「本日諸事情により閉店」
酒場の入り口に、そうそっけなく書かれた紙が一枚だけ張られていた。
カタリナ「フェイがせっかく起きたんだもん、今日は休みだ休み!」
そう大声をだしてから数秒もしないうちにこの張り紙が張られていた。
さすがに豪快というか、なんと言うか・・・

アリス「とはいっても、かっこいい人ね〜・・・フェイさんって」
ハンク達とフェイとの会話を傍観しながら。
蚊帳の外となってしまった自分達は、彼らが待っていた「フェイ」と呼ばれる人物を見ていた。
フェイ=ヴァレンタイン。
ブリジットさんとつながりを持つ人物であり、殺人者であると孤児院の彼らは言っていた。
しかし・・・
ユキ「殺人者ねぇ・・・」
静かに。
ユキが独り言のようにそう呟く。

一見すれば、どう見ても殺人者とは見えない。
どこにでもいそうな普通の人だ、それ以外の何者にも映らない。
それでも、彼女は殺人者らしい。
どうも、こういう時はどちらを信じたらよいかわからないものだ。

彼女は本当に殺人者なのだろうか・・・?

カタリナ「なぁにをしんみりやってるのよ!!」

静まり返っていたこの場に、カタリナの大声が響き渡る。
カタリナ「今日はめでたい復帰祝いよ!!宴よ宴!!」
場を読まないというか、読んでないというか・・・
一人、その場では異様な浮かれっぷりをみせながら声を上げる。

確かに彼からすれば待ちわびた友人の復活・・・こう盛り上がっているのもわからない訳ではなかった。
イング「あ、あのぉ。ブリジットさんは?」
その場をなるべく壊したくないかのように。
よそよそしく、そして小さな声でカタリナの巨体の影からイングがそっと声をかける。
カタリナ「野暮用で出かけるって言ってたけど、その内帰ってくるでしょう」
イング「そうですか・・・」
やはり、カタリナさんでもわからないか・・・。
・・・本当。
ユキ「アイツ・・・どこいったのよ・・・!」
カタリナの返答を聞いたのであろう、再度また先程の雰囲気へと戻っていくユキ。
イング(早く帰ってきて下さい・・・)
イングの頬に、一筋の汗が流れた。

カタリナ「とにかく!!」

追撃かのように発せられるカタリナの大声。
それと同時にカウンターをバンッ!と威勢良く叩き全員をゆっくりと見回す。
カタリナ「宴よ!」



”本日貸切”

閉店と書いてあった一枚の紙切れは剥がされ、立て続けに一つの看板がその酒場の入り口に置かれていた。
そんな中では、各自が御酒を片手に話しに華を咲かせていた。

時(ここも明るいものだな)
一人静かに、手に持ったコップを揺らす。
自分とは対照的な空間とでも言おうか、そんな環境であった。
しかし自然と嫌という感情は生まれてこない。
むしろ、今日は自分も少しあの大賑わいしている集団の中に溶け込もうとさえ考える程だ。
時(フェイも、起きたしな・・・)
待っていた。
ずっと、待っていた。
自分の体等どうでもいい。
彼女が、フェイがただ起きてくれる事だけをずっと思っていた。

そして彼女は起きた。
・・・


時「寝すぎだ、馬鹿ッ!」
あまり言う事の聞かなかった自分の体が、その時だけ軽く感じた。
嗚呼、どれほどこのときをまっただろうか。
ずっと静かに寝ていたフェイが、今目の前で体を自分で起こしてこちらを見ている。
ぎゅっと、強く、強く抱きしめる。
恥ずかしい話なのだが、あの時の自分は一番感情が表に出ていた時だと思う。
フェイ「いたた・・・ちょっと時、痛いわよ」
時「す、すまん」
我に返った時にはもう遅く、少し動揺しながら抱いてた腕を放した。
その際、フェイを見た際に少し違和感を感じていた。
・・・まさか?
時「フェイ・・・まさか・・・目が?」
そう、先程から彼女の目がしっかりと自分を捉えていたのだ。
それだけではない・・・しっかりと、光を帯びているのだ。
今まで切り傷のせいで目を開ける事すら出来なかったフェイの目が開かれている。
嘘だと思った・・・しかし、期待もあった。
すぅっと静かに息を吸い込む。

フェイ「昔の面影はあるけど、変わったわね・・・時」



フェイ「はぁい」
その声に現実へと引き戻され、我に返り声の聞こえた方を向くと張本人のフェイの姿があった。
手にはグラスが二つ。
フェイ「飲んでる?」
時「ああ。ぼちぼちな」
手渡されたグラスを取ると同時に、フェイが自分の横にゆっくりと腰掛ける。
フェイの肩が触れるほどに密着され、"あの時"を思い出してしまう。
時(な、何思い出してるのだ俺は・・・)
顔が熱くなる感覚と同時に飛び込んできたのはフェイの子悪魔的な表情。
にやっと、フェイの表情に笑みがこぼれる。
「どうしたの?ははぁ、さてはエッチな事考えてるなぁ」
・・・後少しで口に入れていた飲み物を吐き出す所だった。
「ごほんっ!そんな事はないぞ?」
図星を指されたので少しどもってしまいつつ返答をするも、フェイの表情は変わらない。
むしろヒートアップしそうな勢いすら感じる。
フェイ「ふーん」
生返事を返しつつ、何を思いついたのかさらにフェイはその体を自分にぴったりとくっつけて来た。
・・・予感的中。
時「・・・むぅ」
フェイ「あはは、時かわい〜」
まるで自分はおもちゃのように、フェイがさらに次の手を繰り出そうとしたその時。
特異な音が、自分の耳の中で響いた。
この音は・・・ギルド全員に送られる時に鳴る音?
フェイ「どうしたの?」
自分の雰囲気の変わりように気を使ってくれたのか、フェイが少し離れながら心配そうにこちらを見ていた。
そのまま少し離れた場所に座っているユキに視線を送ると、同じようにエンペリウムのかけらに意識を集中させていた。
・・・誰だ、こんな時に?
声の主は・・・ブリジットであった。



ユキ「な、何よ・・・どういうことよ・・・」
理解が出来なかった。
突如鳴り響いたエンペリウム。
声の主はそう・・・私たちが待ちわびていたあの存在・・・そう、ブリジット。
それは、即座に文句の一つでもかけようとしたと同時に発せられた言葉だった。

ブリジット「ひとつは・・・セニアさんがお亡くなりになりました」

な!?
手にしたグラスを思わず落としそうになり、咄嗟に何とか拾い上げる。
しかし、集中はエンペに向けたままだ。

どういう事・・・!?
セニアさんが亡くなった?
状況においてかれる自分に、さらなる追撃かの如くブリジットは話を続ける。

ブリジット「本日を持って、このギルドは解散します」

・・・今、何て?
解散?
解散ってつまり、このギルドが無くなるという事?
ワナワナと振るえる自分の体を何とか押さえる。
どういう事よ・・・何ひとりで勝手に決めてるのよ!
ブリジット「それでは皆様・・・申し訳ございません」

それが、最後の"ギルドチャット"となった。
彼がギルドチャットで言っていた通りに、その言葉が終わると同時にピキピキと小さく音が鳴る。
気が付いた頃には、エンペリウムの欠片には完全に亀裂が走っていた。

パキン・・・

それを機に、エンペリウムの欠片は跡形も無く粉々となってしまった。
手元に残ったのは、一つの小さな、小さなWIS。
酷く軽く感じるそのWISが、今は非常に心をキリキリとしめ付ける。
そのWISを、そっと耳につける。
ユキ「・・・ブリジット」
反応はない。
しかし、その先にいるであろうアイツは絶対にこのWISを聞いているはずだ。
ユキ「今モロクの酒場にいるわ・・・よければ、説明を聞かせて頂戴」 アイツはいった。
こうなった経緯を知りたければ、今日限定でモロクの酒場で話してくれると。
やはり、ここに泊まっていたという話は本当のようだ。

ブリジット「お久しぶりです・・・了解致しました、すぐ戻りますのでご説明致しましょう」

懐かしく、待ち遠しく、そして心の痛くなるその声が響く。
アイツは来る、ここに来るんだ。
理由が聞きたかったのもある。
ただそれ以上に、会って話がしたかった。
静かに、先程座っていたイスに座り込んだ。

ユキ(あんな声・・・アイツ出すんだ・・・)

自分のしってるアイツは、あんな・・・あんな苦しげな声等出した事がなかった。
アイツの知らない所を見てしまい、心が痛む。
何が、アイツをそうさせたのだろう・・・?



カタリナ「・・・アルテナ」
横にいたアルテナにだけ聞こえるように、静かに小さくつぶやく。
アルテナは主人が何を言いたがっているのか判ったらしく、入り口の方を見つめる。
フェイ「・・・何、この感じ」
同じくフェイ、そして時も何かを感じたらしく、入り口の方を見つめていた。

気持ち悪い。
何だ、この得体の知れない感覚は。
フェイ(ブリジット・・・さん?)
どことなく、彼に似ている感じのする存在感。
しかし、何故か彼と完全に認知するには気が引ける。
そう考えているうちに、その存在は1歩、また1歩とこの酒場に近づいている。
時「・・・どっちだ」
時が、迷った挙句にカタールを手にしていた。
・・・時もどうやら同じ境遇らしい。

それが、さらに近づいたときだった。
フェイ(何・・・これ)
何かはわからない。
ただ、何故か自分はその近づいてくる存在が憎いという感情を持っていた。
憎い・・・憎い。
その自分の奥底から湧き出るようなその感情は、気がつくと自分にあのカタールを持たせるにまで至っていた。

憎い?いや違う。
憎いというよりも、まるで嫉妬に近いような感情であった。
嫉妬という言葉ですら、表現しきれていない気がする。
何と言えばいいのだろう。

そう、人がのどを乾いた時に水をほしがるかのように。
人が御腹をすかせたときに、食べ物を必要とするように。

自分の中の深層心理が、彼を妬んでいた。
理由の無いこの感情に戸惑いながらも、この感情は自分の中でさらに拡大を広げていく。

何故、貴様だけが生きていられるのだ・・・!

フェイ(え!?)
何よ・・・今の声。

そう思うと同時に、その存在が入り口の目の前にまで近づいていた。


時「・・・」
目の前に来て、判断を鈍らせている要因の一つがようやく理解できた。

時(なんだ、この死臭は)

ひどいものだ。
人を殺した際につく血の鉄くさいこの匂い・・・
その手には敏感な職のおかげか、嫌な程までにその死臭が鼻についてしまっていた。
どれだけ殺した・・・数は?二桁か?
一人や二人ではつきようのないこの匂いが、より一層自分の警戒心にサイレンを鳴らしている。
時(・・・わからん)
結果がでないまま、ゆっくりと入り口が開いていき・・・


ブリジット「こんばんわ、皆様おそろいのようで・・・」



時「!?」
ブリジット・・・殿、なのか?
"多分"ブリジット殿なのだと思う。
何かいつも我々と接している彼とは何かが根本的に違う、そんな感覚がしていた。
横にいたフェイの顔をちらっと見る。
手にしたカタールは置いてあるものの、やはり警戒心は解かれていない。
むしろ、強張った表情をしている気すら見受けられた。
それにしても・・・


イング「な、何あの外見は・・・」
一重に驚愕とも言え様か。
大きく腹の部分に円が出来ており、穴が出来上がっている。
靴ももはや原型と留めておらずぼろぼろであり、ようやく履けているといった感じである。
ブリジットさんがいつももっていた両手剣ももはや折れており、長い剣の先は半分になってしまっているほどだ。
そして・・・

アリス「血・・・ね」
横でアリスが独り言のようにそう呟く。
そう、今のブリジットさんの外見はまさに"真紅"とでも例えるべき外見をしていた。
外見が血なのだろう、鮮血によって赤く染まっているのだ。
それのせいかこの先程までお酒の匂いが充満していた酒場は今や血独特の鉄くさい匂いが支配している。
横にいたアリスが、その外見に耐え切れず顔をそむける。
イング「ブ、ブリジットさん。その外見は・・・」
そう問い掛けると、ブリジットさんはいつもの笑顔をこちらに向けてくれた。
ブリジット「ちょっとね。すみませんけど一旦着替えてきますよ」
付け加えでヤファという人の存在を聞き、上に上がっていく。

先程の笑顔はまさにブリジットさんそのもの。
鮮血と血で染まった赤い包帯が、印象的であった。
アリス「まさか、あれってもしかして・・・」
その先は言わない。
しかし、そこにいた誰もがこう思い起こした事だろう。

・・・ブリジットは国に追われる程の犯罪者である、という言葉を。



ヤファ「ブリジットさん、その姿は・・・!?」
開口一番、言われた言葉はこの外見に対する言葉だった。
まぁ今はさぞかし酷い格好をしているだろうから当然といわれれば当然なのだが・・・
そんな中、鈴が険しい表情をしながら近づいてくる。
鈴「・・・ご主人様、もしかして」
そこで言葉が止まる。
心なしか、震えているようにも見受けられた。
鈴「ご主人様、今すぐ休むアル。"ああなって"からでは遅いアル!」
いつもとは違う鈴の必死な警告。
それでも自分は、今はまず彼等との対話が大事であると頭の中では整理がなされていた。
確かに、目覚めればまずいのは確かではあるが・・・。
ブリジット「大丈夫ですよ、イング達との話が終わればすぐにでも休ませてもらいます」
私も疲れていますしね、と軽く付け加える。
しかし鈴の表情は変わらない。
むしろ、先程よりも一層表情が険しくなった気さえしていた。
ブリジット「であ・・・行ってきます」
鈴「ご、ご主人様!?」
声を荒げる鈴を後にして、イング達への元へとゆっくりとあるいていった。
確かに、残ってる時間は少ない・・・
ブリジット「・・・そこまで時間はかけんさ」



イング「・・・フェイさん達はどっかに行きました」
見渡すと、確かにフェイさんとハンク達の姿が見当たらない。
気を使わせてしまったかな・・・
ブリジット「とりあえず外で話しましょう・・・話の聞きたいお方はついて来て下さいな」
ここで話すには少し気が引けるといった所もある。
それに・・・ここでは"過激な"行動も制限されますしね。
開けた入り口から自分を横切った夜の風は、涼しかった。


ユキ「・・・」
奴の後ろ姿を見る。
その外見はぼろぼろ。
そして、声からして奴自身もぼろぼろ。
奴は言った、セニアさんが亡くなったと。
それと関係するの?あんたがそんな状態になってしまったのは。
わからない、判るはずがない。
奴は、私には何も語ってはくれないから。
奴は、誰にも何も語ってはくれないから。
あんたは、どれだけの悩みを抱えているのだろう。
どれだけ一人で苦しんでいるのだろう。
ブリジット「さて、と・・・ここでいいですかな」
振り向き、足を止める。
辺りは何もない殺風景で、確かに話をするには邪魔の入りそうに無いようなところであった。
ブリジット「さぁ、私の言える範囲であるのならば答えましょう・・・」
何故か、奴の姿が酷く遠い所にいるように見えた。
何故だかは判らない、だがしかしここにいていないような感覚。
ブリジット「そして言いましょう、私について・・・」
本当に、どうしたのよ・・・あんた。

ブリジット「語りましょう、私本人のこの口で」



〜つづく〜




あとがき
お、御久しぶりです( 0w0)
すんません、かなり久々な更新となってしまいました。・゚(ノд`)゚・。
といいますか、ネタがなくてショートストーリーかいてたらテスト一週間前になってしまって
仕方が無いのでテスト終わるまでおあずけかぁと思ってたらあげくに追撃の如く配備変更。

( 0w0)・・・あの、配置とか結構触ってる文なんすが。

ボツとなりますた。・゚(ノд`)゚・。

というせいかかなり御久しぶりな更新です。

さて、この偉く長い小説も分岐点に差し掛かっておるようなきがします(ぇ

遂に再開を果たすブリジットとイング一味(ぇ
ブリジットの口から話される言葉、そしてやり取りは一体どのような感じなのか?
そして鈴の言ってた"目覚める"の真意は一体なんなのか?
待たせておいてまた引っ張るこの小説、次回をお楽しみに!

ちなみに掲示板等でああやって書いてくださいなどといってもらって少しやる気が出てきておりますw
やはり皆様の意見でやる気ってものは沸いて出てくるものですねぇw
感想、お待ちしてますです( 0w0)b

それでは♪
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