「・・・ようやく人間が動いたか」
屈強なオークが一人、呟く。
そのオークの周りには姿勢を正したオークアーチャーがびしりと並び、その辺りを決まりなくオークゾンビ等が徘徊していた。
辺りは暗く、その屈強なオークがどのような感情を込めて呟いたのかは伺えない。
あるのはただ一つ、その対象に対する少なからずの興味、関心。
「こそこそと隠れていたのは知っていたが・・・出てくるとは己の力を過信した者か、それとも・・・」
・・・ここはその人間とやらを見に行ってみるか。
余りにも簡単に来れてしまった故に手が空いて暇だったのか、その屈強そうなオークが立ち上がった。
名をオークロード―数多くいるオークの頂点に立つ、オークの王である。


(しかし解せぬ、何か、何かが引っかかる――――)
多数のオークアーチャーを引き連れながら。
このフロアにいる人間に会いに行く為に歩いていたオークロードは、その薄暗い中考えにふけっていた。

この場所へは、とある穴を通って彼らはたどり着いた。

戦士の遺体を置く広い場所があるのだが、そこで死して尚戦おうとする者たち・・・つまり不死化した部下達がいなくなるという事が起きた。
原因を追求すると、一つの大きな穴・・・そこより他の場所へと彷徨うように行ってしまった事が判明。
その穴をくぐってみればここ、キツネの者達が統括する場所へと辿り着く事が出来たのだ。

来てみると途端に、何故か討伐に来たと思われる人間がぞろぞろと来る。
その数は衰える事を知らず、そして少し経てば次はこの近くにある街が騒がしくなる。
挙句の果てには本来人間が持つべきでない力を持った者達が多数存在していると来たものだ。
「まさか・・・何者かが、我等をダシに使ったか・・・?」
余りにも人間の行動が出来すぎている。
そして早すぎる程の不可解な迅速の行動。
何か他の力が裏で動いているようにしか思えないといった結論にどうしても行き着いてしまう。
「もしそうだとしたら・・・下らぬな」
我等が屈強なオークの民を利用だと・・・?
笑わせてくれる。

もし利用しているとなると、このような大事だ・・・まずどう考えても「人間でない奴等」しか考えられぬ。
図体のでかい山羊か、城に篭ったあ奴の可能性も否定できないが・・・リスクの問題を考え、その線は極めて低いと見る。
山羊のあ奴は森の外にさほど興味を示さぬ。
示すとすれば、己が心地よい邪の気を感じ取るが為程度だろう。

城のは・・・奴は山羊のと違い制覇を目差しているようだが、それを阻まんとばかりに各地にいる猛者が目を光らせている。
故にこのタイミングでの出は無いと見たい所だが・・・

思い出してみれば、山羊は人でないあの者達の頼みに弱かったのを、ふと思い出す。

そうだ、かんがえてみればあの者達の手の可能性が最も高いと言えるのか。
人でない存在で、最も人に近い者達だ・・・人の関係で人以外の力が働くならば、まず疑われる存在だろう。

勝手にやるのは構わない・・・だが、我々を今回の出来事に参加させ、挨拶も無しに利用しようという魂胆が気に入らない。
過去我が前に現れた「見習の」でさえ、我々と話す時は礼節を弁えた態度で来たというのに。
今度の奴はどうやら我等オーク族の格を偉く低く見ていると見える。
古き時代から存在し、力を保持し続けてきた我々を、舐めているとは・・・

面白い。
どのような筋書きを考えているかは知らぬが・・・このオーク族の王、そう簡単に貴様の手中に収まらぬ事を教えてやろう。
「行くぞ同胞よ、事の真偽を確かめなければならん」
ここのフロアにいる人間から、少しばかり違う気を感じる。
弱弱しい微かなものではあるが漂わせるその相手に、如何なる考えがあっての行動なのか・・・
「人間でない奴等」と接触をしたのか、または目的であるそのものたちなのか。
前者は故意でなく、仕方が無しに感じるだけなので問題はない・・・問題は後者の、目的があって微かに漂わせている方だ。
そちらであれば確実に我々を誘っている・・・警戒をしないわけにはいかないだろう。
さて・・・どちらへと、傾くか。



「・・・おかしい、おかしいわイング」
何とかゾンビ達から逃げ出すことができ、今度は建物の影へと隠れ一息入れていた時だ。
何故か、ゾンビ達の追撃が突如止んだ・・・かのようにアリスは感じた。
あれほどまでに血眼になって追ってきたのに、先ほどから急に引き下がってしまい今にいたる。
その動きには、何か嫌な・・・そう、今まで冒険してきた私達の勘が伝える、何か嫌な感じが残る。
このなんとも表現しがたい気持ち悪さに耐え切れず、つい不安が口からこぼれてしまった。
「確かにおかしいのは判るけど・・・それが一体何なのかが判らない。だから怖いのか」
心なしか、イングの表情も些か曇りがちだ。

イングのいっていることは人という生物の心理そのものである。
知らない、判らない・・・人はそういった己の器で判断できぬものを極端に嫌う。
たとえ相手が己に害を与えぬ存在だとしても、その判らないということ事態が人によっては害そのものとなるのだ。
故に、今この三人の精神は少しずつ・・・そう、少しずつ削られている情況にある。

「そこにいる者達に話がある。大人しく出てきてはくれぬか」
「!?」
建物の正反対の位置だろうか、誰かはわからないが野太い声が三人に向けられて放たれた。
「助けがきたのか・・・?」
その声に、微かな希望が宿る。
追っ手がこなくなったのも、もしかすればもっと大人数の冒険者達がこの場所に来てオーク達と戦闘。
その援護にゾンビ達も駆けつけざる終えない状態になったのかもしれない。
そう考えると、不安要素であった問題も解消されるというものだ。
「まって、今出るのは軽率よ」
そんな浮かれ気味なイングを静止するユキの表情は、今だ険しいものであった。
そう、まるでまだ敵陣の真っ只中にいるような・・・
「まずこれだけを伺いたいわ。貴方は私達の命を保証してくれるのかしら?どっちか言って頂きたいわね」
「それは内容次第だな、だがこちらの考えどおりなのであれば・・・結果として命を我等は取らぬよ」
・・・よし、これならば出た方が賢明だろう。
「どういう事だ、ユキ。だってあれは・・・」
「人間じゃないわよ、良く周りの音に耳を傾けて」
・・・音?
音とはどういう・・・
「・・・そういうことか、僕も冷静さが欠けてるみたいだな」
「そゆこと。判ったらとっとと出た方が賢明ね」
確実に、先ほどよりも多いオーク達の荒い息遣い。
もしあちらにいるのが冒険者達なのであれば、これほどまでに明確に聞こえる息遣いはありえないだろう。
それ即ち、あちらにいるのはオーク達・・・しかも、言語を使うとなると今までの事からしてBOSSとよばれる部類の可能性が高い。
ならば、あちらの要求どおりにしたほうが賢明か。
自分たちに敵意はない、という意思表示のために武器をしまったまま建物の裏からゆっくりと歩き出す。

大きな巨体、屈強な体、威厳を携えたその風貌。
「・・・ふむ」
建物の前には、ずらりと弓を持ったオークを従えるオークロードが待ち構えていた。



「フィリア、思っている予想を全て報告。今回の黒幕は目星がついてるな?」
う、と痛い所をつかれたかのようにフィリアが視線をそらす。
この子は優しくて義理堅い所があったのは覚えているが・・・。
だかといって、今はフィリアの心情を尊重するわけにもいかない。
今は一刻一秒を争うような厳しい事態、事は迅速に進めなければならない。
「おそらく・・・双頭と呼ばれた紅蓮の仕業かもしれません、ですが!彼女の能力にこのような事態を招く力はないはずです!」
「どういう事?」


紅蓮と幾度となく言葉を交わしたフィリアには、どうしても彼女がこのような事をする奴には思えなかった。
むしろ、前以上に思いやりのある、大きな存在となったような感じすらしてしまう。
力を手に入れたことによって、彼女がどれだけ辛く険しい人生を歩む事になってしまったのかは計り知れない。
だが、それにより彼女の本来ある優しい人間的感情は切磋琢磨し、磨きがより一層かかったような気がしたのだ。

現に、久方会い、そして話した時の自分の彼女に対する感情はまるで昔とは比べようにならないものだった。
大きな存在と話しているような、がさつながらに相手を気遣うその言葉遣い。
道化師のように力を禍禍しい方へ使う奴もいるだろう、だが彼女は確実にそんな奴とは違う何かを感じさせられたのだ。

故に。

私は一つの仮説をここで立てた。
「私には、紅蓮ではない、別の何か力が動いているように思えます」
理由は先ほど話した。
異常事態ではあるが、紅蓮がそのような事をする人物には到底思えないこと。
彼女の力は基本として独立した己の分身を作る事であり、このような大まかな行動にはどちらかというと向いていないという予想。
もしかすると、その紅蓮ですら何か別の力に惑わされているのではないだろうか。
「フィリア、己の感情を捨てて話しなさい。貴方のその予想には貴方自身の私情が見えている」
「いえ、私情は捨てた上での仮説です。紅蓮の能力上、このような状況に持ち込むのは事実上不可能と思われます」
そう、彼女の能力としてこのような集団を巻き込んだ動きは到底不可能と見れる。
今のところ大体の人物が双頭の仕業、と見ているかもしれないが能力を知ってしまえばそうだとはあまりにも言いがたい状況だ。
だとすると・・・
「復活した、と言われる道化師・・・か!?」
不思議な能力を持つと言われている指名手配の中で、唯一どのような能力か明確な情報がもたらされない道化師。
唯一判っているのは、その不死と思われてしまうほどの体力だけだと聞く。
一時期フェイ=ヴァレンタイン、玉藻前の存在によりこの世から姿を消したと聞くが・・・

多人数による大規模な戦闘、そこで行なわれる理由無き殺戮。
そのような負の感情をまぜた、どろどろな戦闘を道化師は好む性質を持つ。
確かに道化師ならば、このような展開・・・見過ごすとも思えないが・・・
「貴方達が・・・知る必要はない。」
ボゥッ・・・っと、フェイヨンダンジョンに続く道から、一人の女性が姿を現した。
その外見は紅蓮そのものであるが・・・否。
「紅蓮の分身だな」
ほんの一瞬だけ、その紅蓮が冷たい殺気をこもった眼をこちらに向けた。
気のせいか、その表情は酷く寂しそうにも見える。
「あら・・・判る?」
クスッ、と寒気がするほどの冷たい小さな笑みを浮かべる。
分身の見分け方は単純に雰囲気の違いでわかる。
紅蓮自身が少々特質な雰囲気・話し方をするのもあるが、それは置いておくとしよう。
「まだ生きていたのね・・・感心するわ・・・」
辺りには死体。
焼け、斬られ、潰れ、赤いもはや人でないその物体がフェイヨンの大地を染める。
今このフェイヨンに、どれだけ生きている人がいようか。
我々だろうか、それともまだ生き延びる人がいようか。
だが、確実に。

今のフェイヨンには、生きる者が放つ生気が著しく失われている。

ここで生きているのは、もはや自分たちだけではないのかという錯覚すら生まれてくる現状が今目の前にあった。
「これからマスターがここに来るの・・・貴方達、ちょっと邪魔」
「何を勝手なことを・・・!」
浅はかだったか。
紅蓮自身はしない可能性が高いといえど、紅蓮の性質は自分と同じ能力を持った全くの別人を生まれさせる能力。
その紅蓮の力を持った分身が今回のこのような騒ぎを起こしている可能性までは考えていなかった。
最悪は、紅蓮本人もこの分身に利用されている可能性すらあったではないか。

(マスター・・・?紅蓮本人?それとも・・・?)
何かが引っかかる。
事前に聞いているのは、紅蓮自身が能力、分身を生み出すと言う力。
分身自身が独自の知識を有して動く、いわば高性能の相方と言っても過言ではないだろう。
だが、そこに主従関係のようなものはない。
紅蓮自身がそのような状況を好む人物ではないらしく、フランクな関係を好む性質だと聞いているが・・・
(マスターということは完全なる目上の存在を表す言葉。それを紅蓮本人が言わせているの?)
否、それは考えにくい。
あくまで情報どおり・・・そして、フィリアの動作からしてどうにもそうとは言い切れないだろう。
やはり・・・第三者が、動いている可能性が高いのか。

果たしてその第三者、どのような存在なのだろうか・・・。
紅蓮という色つきの実力者を従えた、より強大な存在?
昔から紅蓮と関わりのある、古い付き合いが故の存在?


刹那、その隙をついた紅蓮の分身の攻撃がアラリンに襲い掛かる。
(・・・!かわされた・・・)
先程の分身といわれた事に苛立ちを覚えているのだろうか・・・?
殺気を見せて相手に感づかれるという、最も初歩的な殺意を抑える事が出来なくなっていた。
それにしても、あの反応には感心すら覚えるものではあるが。

分身、分身・・・体を持ち、「己」を持つ貴様等に、私の何がわかる・・・!?


「あなた達の目的は何?マスターとは紅蓮の事!?」
察しの良い、そして頭の切れる者。
嗚呼・・・その見透かした目、見下した目、勝てると思っている目・・・!



スベテ     コワシテ     ヤリ   タ   イ



体が疼く。
目の前にいるこの者を早く、鼓動を鳴らすより早く、息をするより早く、壊してやりたい。
「答える義務は・・・無いわね」
じらす。
極上の餌を目の前におかれたかのように、鼓動が高まる。
嗚呼、だめだ、もう、抑制が、き、かな、い。

己の性質に似合わない、異常な殺気をまといその者へと近付いていく。
そんな自分に感づいたのか、先程までとは違う確かな殺気を、その者は見せた。

「まぁいい……、貴方をねじ伏せて答えて貰う事にしよう!」
とまどいを見せ、足が動かぬフィリアとは対照的に、一歩早く紅蓮へと走りこむ。
あいにく相手は余裕の現れだろう、武器を持たず、盾を持たずのまったくの手持ちがない状態だったのだ。

この状況ならば、腕の二本・・・仕方が無いか。
フィリアの目の前でそのような行為を行なうのは些か気が引けるのだが、現状を見るならば仕方が無しと言えよう。

そう答えが出た後はいたってシンプルなものだ。
この剣を、腕の付け根に振るうのみ。
思ったよりも紅蓮は外見上華奢な体つきをしており、少し振るうだけですぐにでも落ちてしまいそうな腕をしていた。
だが、それはあくまで外見だけでの話。
実際はそう見せかけてかなりの強靭な肉体かもしれない。
(躊躇わず、振るうのみ!)

スッ・・・っと、振るわれたその剣は付け根をまるでポリンでも斬るかのように綺麗に通り過ぎた。
まるでそこには元から腕というものがなかったかのような錯覚を覚えるほどに・・・
「聞いて・・・なかったの?私は分身、実体を持つ事も・・・幻覚のように、そこにいるだけのようにも・・・なれる」
「くっ!」
ものの数秒、反応が遅れただけで体が吹き飛ばされた。
仮にも騎士という職業柄重めの装備をしているというのに何と言う怪力を持ち合わせているというのか、この分身は。

否、それは違うか。
そもそも相手が人外の生き物である時点で軽率な攻撃は控えるべきだったのだ。
「きょ、アラリン教官!」
あの攻撃を外してしまった時点で、もはや結果等変わりようがないだろう。
フィリアの眼には、今もわが身を喰らわんとする剣の姿が見えた。

即ち。

「我が名・・・は紅蓮。能力者が一人、主に仇なす者を切伏せる、者、也。さぁ諸君、主が開きし劇も終盤へと・・・差し、掛かる」

私の、生の終焉である。



首が飛び、地面と落ちる同時だった。
「分身、貴様ァ!!」
もはやそこに、先ほどまでのフィリアはいない。
己の大切な人を殺され、怒り狂い剣を持つ一人のクルセイダーのみが存在していた。
その気には、分身を殺すと言う事に一点の躊躇いすら感じないものがひしひしと伝わってくる。
嗚呼、なんと心地の良い殺意。
先程の者とは違うその殺意に、心なしか喜びすら覚えてしまう。

「そうよ・・・私は分身。本体を持たぬ、者」
そんなフィリアの気迫にまったく動じず、むしろ余裕すら見せる紅蓮の分身。
否、そもそもこのフィリアの相手をするのは分身と呼ばれし紅蓮の仕事ではない。

そう、フィリアは気が付かない・・・否、気がつけなかった。
この狂気の狭間にいるが故に、己が後ろに存在しているフィリアを狙いし狂気を。
「バーイ、フィリア。いずれまた会うことがあったら会いましょう」
その言葉に違和感を覚えるよりも早く。
分身が居合わせたと同時期に後ろで待機していた紅蓮本人が、その大きな両手剣で持ってフィリアの頭をかち割っていた。
ヘルムごと潰されたフィリアに、死が訪れたと言う事すらおそらく理解はしていないのだろう。
数歩走る姿勢を見せたまま、司令塔を失ったその体は機能を停止し地面へと倒れこんだ。

何、だがなんら問題はない。
ここはフェイヨン、生と死の狭間へと移り変わった世界。
今ここに新たに二つの死がまざりあっただけの事。



これで、もはやこのフェイヨンは完全なる沈黙が訪れただろう。
・・・いや、少し違うか。
主役・・・それを取り巻く重要な役者達。
メインディッシュが今からここに向かっているのだ。

ピリピリと、静けさ故により一層風すら騒ぎたつその者は近付いてくる。
「来る、のね、神速・・・!」
風よりも速く、風よりも鋭く、そして判断力に優れ、無駄なき疾風となりし者、その名も「神速」。
現存する能力の中で、唯一今でも意識を持ち、己を保ったまま今を過ごす珍しい個体でもあるという。
また治癒能力にも優れ、能力を持つフェイの眼を治すといった並大抵ではない荒業すら見せている。
その者を、この私が今日、ここで仕留めてみせる。
そうすれば、主の「夢」が遂に叶えられるのだ・・・!

まばゆい光と共に、その化け物は姿を現した。
「なっ・・・これは・・・」
辺りを見回し驚きを隠せないといった表情を浮かべる神速・・・否、フェイ=ヴァレンタイン。
「ようこ、そ・・・主が作りし惨劇へ。歓迎・・・致します」
先手必勝、まだ状況が読み込めないフェイへの第一撃。
大気が鳴り、剣が火となりその体を切り裂かんと襲う。
「・・・そう、神速。見ると・・・改めて、その名が身にしみる」
地響きをさせてえぐられたその剣が振り下ろされし場所には土ぼこりのみが漂う。
そしてその先に、先ほどまでここにいたフェイがカタールをつけこちらを見ている。
思考がままならない状況で、アレほどの俊敏な動き。
否、我々の感覚による物と、あの超人的速さを持つフェイとの感覚はまるで違うと見るべきか。
こちらが不意打ちをしようとも、フェイ側からすればゆっくりと頭の近くを動いているという感覚でしかないだろう。
(それは接近攻撃を捨てなければいけないと言う事・・・)
思った以上に、厄介な相手と言わざる終えない。
外見どおり、私の攻撃方法はこの両手剣によるものである。
魔法系がいるならまだしも、この状況下では・・・。

ならば、何かでフェイを出し抜かなければならない。
少しでも、先ほど以上の隙を作ればあるいは・・・の可能性があるだろう。
「成る程・・・ね、あのいかれた奴が言ってた劇ってこの事」
ようやくして状況が飲み込めたのか、フェイが改めてこちらに目を向ける。
その眼には、己が敵として認識したであろう私の姿がくっきりと映っている。
「より激化す・・・るこの劇、最後まで・・・お付き合い、願います」
まずは相手の動きを見、その刻刻の流れを読んで相手をするしか勝機はない。
ならば、分身たる故の戦い方を見せるのみ。


「倒せ」はしない。
だが、「時間を奪う」事は出来る。
それでいい、それでいい。
「では・・・!」
終わる事の無い戦いを始めよう。



「ここまでだ。これ以上は己で考え動くが良い」
・・・オークにエスコートされるなんて体験、金輪際ないだろうなぁ。
そんな事を考えながら、イング達はフェイヨンダンジョンの外へと出ることが出来た。

まず驚いたのがオークゾンビ達だ。
ゾンビという物は、基本として考えるという行為が出来ず、ただ本能のみに動く不死と聞いていた。
だが現実はどうか。
オークロードの歩く前を、そのオークゾンビ自らが開きここに至る。
それが本能による危機を感じ取った故か?
または、生前仕え共に戦ったオークを、その王の面影を今尚覚えている故か?
それはオークゾンビにしか判らない・・・だが、イングは紛れも無く後者である事を確信している。
そして、それほどまでに、今目の前にいるオークロードの存在が大きい事も。
「どうした、行くがいい。本来我等は敵対同士、こんな姿を同族に見られては貴様等も困るだろう」
この場に、同族なんぞ居ない事を判っての言葉であった。

もはや、ここに「生」の風等微塵も感じはしない。
あるのは死・・・しかも、人間によるものである。
そして街の方から流れる異質な気、これぞ我等を利用した者達だろう。

「あの、ありがとうございました」
ふと、そんな事をこの剣士はいってきた。
何を言う・・・このような地獄に俺は落としたといっても過言ではないというのに。
知らぬという事の、何と言う恐ろしさか。
「この場は今とても酷い情況になっていると聞いています。どうか、お気をつけて」
「・・・!」
違う、この剣士は・・・そして後ろにいるアコライトも、マジシャンも、この街の状況を知っているのか。
「ならば・・・」
ならば聞かねばなるまい。
「ならば何故すぐこの場から離れようとはせぬ。お前等がどう出来る。この場の力に比べたら、お前等の命等紙くず同然だぞ」


過去、我がオークの村に人間どもが押し寄せる事件があった。
その中に一つ、捨て駒のように扱われた団体がいた。
人間とはかくも恐ろしく、上の命令一つでどうやら命を捨てるような行動をする生物らしい。
俺の目には、その団体の中に後ろで偉そうにしている奴よりも数倍有能な、かつ強い奴等を幾多も見た。

ああ、これが人間か。
何とも強く、そして儚き生物か。

人間は強い。
だがそれ故に、周りという物がまるで見えなくなる生物だ。
その命令を出している者とて、己がその状況に置かれれば不信感を積もらすはず。
そのような事を何故仲間に言うことが出来るのか、不思議で仕方がない。

だが、逆にそのような不信感を積もらせようと従い動く者もいる。
その者達が、どのような考えを持って立ち向かうのか。
長い間・・・そう、長い間気になっていたのだ。

「でも・・・それでも、私達は行かなくちゃいけないの。あそこに、大事な人が待っているから」
あそこには、フィリアや紅蓮さんがいる。
そして、とても困っているはずだ。
ならば私達の手で少しでも何か出きるのならば、やる事をやらねばなるまい。

(もう・・・何も出来ないと、嘆いて動けないのは嫌)

それの反抗心で、無理を承知で動こうとしているのは重々承知だ。
でも、それだからこそ今動かずにはいられない。
何か出きることを、ただただ信じて。

「では私達は行きますね。ここまで本当にありがとうございました」
最後に三人は頭を下げ、地獄へと進んでいく。
嗚呼、そうか。
「健闘を祈る」
彼等は戦士だ、それも一人前の。
一人前の戦士が戦場へ行くというのを、どうして止められようか。
たとえ捨て駒になろうとも、己が命を散らそうとも。
誇りを持った一人の戦士を、止める言葉等ありはしない。
己が選び進んだその道、誰も止められはしない。

「・・・長い間の疑問がとけた。我々は我々の出来る事をしよう」
我々に負けぬ、立派な戦士を送った後故か。
余計にも、我々を騙し利用し、この地獄を作った張本人に対する怒りに火がつく。
戦士を駒としてしか見れぬその者に。
礼儀すらしらぬその者に、どのような事を教えてやろうか?
「・・・ほぉ、来るか」
ここより少し離れた所から感じるその気は、人ならず者の気を持った者が来ているという証。
人にあらずの力を持った者がまた一人、この地獄へと向かっている。
「・・・そうか、これならば面白い事が出来るやもしれぬ」
一人何かを思いついたかのように、オークの群れが動き出す。
その先に何を見たのかは、謎である。



「まずは街の方に行って状況を確認しなくちゃ・・・!」
他の者に速度増加をかけながら、一歩でも、一歩でも早くとその現場へと向かう。
冒険者同士の争いの場、プリーストでない私がどれだけ皆を助けられるかなんてものはたかが知れていることだろう。
だがしかし、このまま何もせずというのはアコライトの恥。
小さな力でも、何もせずよりかは少しは役に立てるはずだ・・・

そう、その惨状を見るまでは、そう思っていたのだ。


「なっ・・・!?」
イングが立ち止まり、それにつられるかのようにユキも、アリスも足が止まる。

否、動けなくなった。

なんだこれは、これがあのフェイヨンだというのか。
矢で、魔法で、剣で、鈍器で、斧で。
様様な傷が刻まれた幾多もの死体が、フェイヨンの大地を築いていた。
ここにあるのは死。
我等生きる者が踏み込んではならない、禁断の場所。
そう、これではまるで、死都と呼ばれるニブルヘイムではないか。

「おヤ・・・この場にまダこノような可愛ラシい観客ガいタとは。余程洞窟ガ嫌だっタと見エる」

クククク、と笑い声を抑えながら、三人の目の前に一人の人物が降り立つ。
「!」
三人が一斉にその顔を見、驚きを隠せなかった。
目からは血を零し、その目はまるで漆黒とも言うべき何もない空洞。
そして、その顔はまさしく・・・
「ブリジット・・・!?」
そう、今までユキが、イングが、アリスが探していた張本人その者の顔だったのだ。
だが、雰囲気からして確実に別人である事だけはうかがえる。
一体こいつは・・・
「くクク、二度も間違ワれるか。奴め、余程人ト言う物ニ憧れテいルと見れる」
「! あんた、ブリジットの姿をして何をしてるのよ!」
やはりこいつは私達の知っている奴ではない。
即座にその答えをたたき出したユキが、目の前の奴に対し噛み付いていく。
だが、このユキの威勢も今で言えば虚勢である。
この地獄のような場所で今でさえ生き長らえているというのであれば、まず私達以上の実力者であろう。
あげくにこのおかしな風貌・・・おそらくは、目の前の奴はフェイ等と同じ「能力者」である可能性が高い。
そう、言わば目の前の人物の行動一つで私達の魂等いとも簡単に奪い去っていくだろう。

もはや今やるべき事は、情報を聞き出す、現状を知るよりも・・・いかに命の時間を引き延ばし逃げ切るかにあった。

「コノ姿は仮物。何、本当の姿モあるダロウが・・・」

「貴様等はそノ前ニ居なくナる、気にせンデイいよ」

ごぅっ・・・!と、一つの風が吹く。
あまりの強風に、一瞬だが三人が目を瞑る。
「一刻一刻トて劇は続ク。ダンジョンに移動サセ見て見ヌ振りヲシてヤったニモ関わらず命ヲ捨てニ来た貴様等に手向けをシて差シ上げよう・・・」

風が止み、次に目を開けられたときには・・・目にも止まらぬ速度で動く何かがあった。
だが、辺りに響き渡る金属音、その音と同時に散らす火花・・・何かが、この場で戦っている。

そのときだった。
その激しい何かの動きの中から一つ、のろのろと動きこちらへ向かってくる一つの人影が存在していた。
手負いなのか、それとも敵の差し金なのか。
三人が警戒しながらその人影を見ているときだ。
「ぐ、紅蓮さん!?」
当の本人は酷い怪我を負っており、腕を抑え片足を引きずりながらこちらへ向かってきている。
ユキが驚きの声を上げながら、その人物へと駆け寄っていく。
それから少し遅れて、イングとアリスが付いていった。

・・・確かに彼女は、フェイヨンに来た時僕達に声をかけてくれた紅蓮さんである。
だがまて、今このような場所に何故いるのだろうか?
怪我をしている?ならば今までこの場で戦っていたという事になるだろうか。
誰と?それは流石にたまたま来て冒険者達と戦うはめになってしまったか・・・それとも、あの能力者らしき人物とか。
あの人物と戦っているならば、先ほどの人物が自分たちの目の前に出てくる余裕があったのか?
否、では目の前で戦っていると思われる戦闘は誰と誰なのか?
違う、見るべき点はそこではない、何か、何か大事な何かを僕は見落としている気がする。

姿からして何かしらと戦っていたのは判る。
そして、先ほどの人物は自分たちをおそらく殺す気でいるはずだ。
さらに、目の前の紅蓮さんは傷を負った状況ながら僕達の方へ歩いて来ている。
その後ろでは、誰かと誰かが戦っている光景が存在している。

先ほど自分たちの前に姿を現した人物はおそらく今回の事件の首謀者という可能性が高いだろう。
この場であれほどの余裕の見せつけよう・・・自分の勘が正しければ、だが。
奴は自分達が洞窟にいたことを知っており、移動「させてやった」とまでも・・・
「!?」
移動・・・させてやった?
まて、自分達をダンジョンへと飛ばしたのはそもそも誰だ?
あの人は、自分達が洞窟にいたことを知っており、尚且つ飛ばしたかのような事すら言っている。
ここでもし、あの飛ばした人物があの者であったとするならばどういう答えに繋がるだろうか?



「手向けをしてあげよう・・・」
確かにそう奴はいった。
つまり、何かしら自分達に仕向けてくるという事である。
移動させてやったと言い放ち、その移動を行なったのは者を今予測で立ててみるとすれば・・・まさか!?

「ユキ、まて!その人は味方じゃない、敵だ!」
「え?」
大声で声を出してしまったのが仇となった。
呼ばれたのかと、こちらを振り返ったユキに対し、紅蓮が剣で今にも斬りつけようとしていたのだ。
「危ない!」
その声に危機感を覚え、状況を確認しようと再度紅蓮の方を向いたが最後。
「ぐっ・・・ああああああ!」
ユキの左眼に縦の切り傷が刻まれ、悲鳴をあげながらユキがその場へ倒れこむ。

イングの放った言葉、そして嫌な感じ。
たったそれだけの理由で少しよけようという行動を行なったが故に、目だけですんだのだ。

「くそ、くそぉ!」
悲鳴が自分達の走り出す合図となった。
おそらく次は完全に命を絶とうとしてくるはず、その前に何とか彼女を止めなくてはならない。
たとえ敵わなくても、ほかの皆が少しでも生き延びれる可能性がでるのならば・・・!

刹那。
(な、・・・一体、何をしてるんだい私は)
ユキを斬り伏せたと同時に、紅蓮がわなわなと震えだす。
確かに自覚はあった。
何故か傷だらけになり、そしてこの姿を心配してユキ達がこちらへ向かってくるのもわかった。
だが。
体が、まるで別の意思に操られているかのように自分の意志で動かす事が出来なくなっていたのだ。
声すら出せず、そのまま目の前に来たユキを・・・
(ククククク・・・どウだ、中々ニ楽シい状況ダろう)
頭の中に直接流れ込んでくる、まとわりつくような嫌な声。
この声は・・・私が、能力を持つ前最後に聞いた声・・・まさか!?
(最後ニ一つ余興ヲとでモ思ってナ。貴様ハそこデ己の無力をカミシテメ居るガ良い)

それと同時だったろうか、イングの一回目の一撃は。
剣士という外見に似つかわしくない重い一撃を、自分の体へと叩き込む。
嗚呼、だがそれだけではこの自分の物ではなくなった体は止まらないだろう。
確固たる意思を持って、鎧ごとイングの横腹をその剣は容赦なく貫いた。
「・・・ぐぁっ!」
くぐもった声を出し倒れるイングに、ヒールをかけようと近付いてくるアリス。
「だめだ、こっちにきちゃダメだ!」
アリスを止めようと苦しみながら声を張り上げるがもう遅い。
剣士が倒れ、マジシャンが倒れ。
己の守る術がほぼないアコライトに、己の体は容赦なく向かっていった。
「や、やめろ!」
もはや倒れ、体の動かぬ剣士に出来る事といえばこの程度か。
悲しくも叫ぶ声だけが木霊する。
「あ、あぁ・・・」
足がすくんで動けないのか。
体を震わせ、己が運命を悟ったかのように見えるそのアコライトは動く事が出来ずに居た。
そんな彼女を見ようが、私の体は容赦なく剣をそのアコライトへと向ける。
ゆっくりと構え、そして・・・一瞬にして、そのアコライトの心臓を一突きする。

コレほどまでに人とはやわらかいものなのか?と思うほどに簡単に剣はアリスの胸を貫通した。
それと同時に、白い純白のアコライトの洋服が、みるみる赤く染まっていく。
赤?そんな優しい色ではない・・・もはや、黒いとも思える、アリスの未練を象徴するかのような色であった。
(くクく、羨まシイホどニ良い衣装だ・・・)
消えたいとも思う意識の中、道化師の恍惚とも思える言葉を聞いた。

「か・・・イン・・・」
最後にあの剣士の名前を呼んだのか、それとも違う人物の名前だったのか。
本人にしか判らぬか細い声を最後に、どさりとアコライトが倒れた。
「貴様ァァア!」
横腹から痛々しい血を流れさせながら、剣士は立ち上がりこちらへと走り出してくる。
もはや立ってられぬ程の血を流して尚向かってくるのか、彼は。
(違う・・・こんなの私の意思じゃぁ・・・!)
だが体は言う事を聞かず、まるで立ち向かってくるのを嬉しがっているかのようにさえ感じられる。
「ああああああ!」
怒り任せの攻撃を、受け流すのではなく真正面から受け止めていく。
(ホぅ、オートバーサーク・・・カ、先程ヨり良い攻撃ヲスる)
己が体力が著しく奪われ、最後の火事場の馬鹿力・・・という訳でもないが。
剣士には最後その生きるという力を完全に出し切るという能力をそろえた職業である。
純粋に攻撃力だけがあがり、反面防御力が下がるという諸刃の剣のこの捨て身の業。
真正面から攻撃を受けるという事は、互いの体に反動がくるという事をさす。
つまりは。
「く・・・そ・・・」
血を流しすぎたせいか、意識が朦朧としイングの攻撃が止んだ。
そのわすかな隙を見逃す訳もなく紅蓮の剣がイングの体を斬りつけていく。

斬り付けられてものの一分かかっただろうか?
目の前にいる剣士はもはや立つ事が限界らしく、がくんと足を崩しそのまま地面へと倒れこんだ。
もはや声もなく、息もない。
彼で言う、これが耐え切れる限界だったという事だろう。
(あ、あぁ・・・)
己の意思なく命を散らせるという行為がどれほどまでに絶望的か。
確固たる意思を今持ちながらも、なんと言うその無力さか。

「今マでそノ都度助けガ来たヨウダが今回ハなかっタな。可哀想ニ」

心にもない言葉をかけながら、おそらく体の意思を乗っ取っているだろう張本人が降り立った。
その足元には、片目を抑え蹲るユキの姿がある。
まさにこの人物は、今ユキにとって命を奪いに来た死神とでも表現すべきなのだろう。
「アンタッ・・・紅蓮さんに、一体何を、した・・・ってのよ!」
襲い掛かる恐怖、そして痛みに耐えながら。
なお噛み付いてくるユキを、さも楽しそうにその者は見た。
「スマないガ御退場されルお方ニは言えぬナ、お嬢サン」
一際おぞましい程口をにたつかせながら、懐から小さな短剣を取り出した。
「アンタなんか・・・フェイさんとか・・・に、やられちゃえばいいのよ・・・」
何故かその場であの男の名前は出さなかった。
それがこのお嬢さんの最後の意地なのか、それともまたは別の意思が働いてなのかは判らないが。
「さらばダお嬢さん。己が無力、とくト味わい落ちるガ良い」
その短剣を持った腕が、ユキの首へとのびていく。
ずく。
今まで聞いた事のないような音が、首元に聞こえた。
「あ・・・か、くぁ・・・」
首から、けたたましい量の血が止まる事を知らずに流れ出した。
死という恐怖と、首から全身に響く痛みで声がでない。
だが、己に対して、そしてこの者に対しての怒りはあった。
私は・・・迷惑ばかりかけ、何もせずにこのまま・・・
「く・・・はぁ・・・!」
熱い。
体が、胸、心が、目が。
恐怖によるものでなく、未練によるものでなく。
ただただ、理由もなく涙がこぼれて来る。
嗚呼・・・


これが、死ぬという事なのか。


「嗚呼、いぃ、素晴らしい表情だお嬢サン。奴が貴様を気にかけた理由、今ココデようやく少しダけ判ったキがスルよ」
その言葉が、このお嬢さんに聞こえたかはわからない。
だが静かに、静かにこのお嬢さんはそのまま息を引き取った。
考えてみれば、もっと激しく、より酷く殺す事だって出来たはず。
・・・少なからずとも、この体をコピーした時点で何かしらが残ってしまっているのだろうか。

まぁ、良い。
もうこの場にいるのは能力者のみ、これで劇は全て最後の締めくくりへと向かう。

後ろでは神速と紅蓮が。
街の中では放浪、そして虚無が。
少し離れた所には複製の手の者が。
さらに遠い所には妖精がいると来たものか。
「良いぞ、力ガ段々ト集まってイク。我等が悲願成就モ、もはヤ目前ダ・・・!」
次の一手を打たんと、その者は歩く。
後ろには、新たに幾多もの死体が積みあがっていた。


〜つづく〜




あとがき
何故こんな状態にと突っ込みたいくらいにやばい展開爆走中。
ブリジットではない別の者による大量殺戮、惨劇ももう終盤へと差し掛かります。
目的は、そして残された能力者達に残る結末とは如何なものなのであろうか?
後編、どうぞご期待ください。

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