ラグナロク・オリジナルストーリー第五話―世界



ユキ「ん・・・」
窓よりさしてくる日差しの眩しさに目を奪われながら、ユキが目をさまし上半身だけをゆっくり起こす。
ユキ「あれ・・・私・・・?・・・ここどこ?え?どうなってんの?」
状況が理解できず困惑するユキ。
しかし、目がさめていく中段々と冷静さを取り戻していく。
そして一つの事を思い出す・・・そう、殺されかけた事を。
急に体が震え出した。
殺されかけた時の状況を鮮明に思い出してしまったためだろう。
体を震わせながら、辺りを見回す。
左を見るとイングが、さらに前を見るとアリスがぐっすりと熟睡していた。
さらによく見ると、アリスの寝ているベットの近くの壁にもたれかかりながら時が腕を組んで寝ていた。
・・・よくバランスが取れているもんだ。
そして、右を向く。
するとブリジットが椅子に座りながらこちらも腕を組んで寝ていた。
ムナック帽子が機嫌悪そうに、前にひどく傾いている。
・・・どうやらずっと看病してくれていたようね。
彼を見て少しは落ち着いたが、やはり恐怖の色は隠し切れない。
声も出せずに、一人体を震わしていた。


すると、急にブリジットが目を覚ますなり、とても眠そうな目でこちらを向く。
ブリジット「ん〜・・・?やぁユキ、起きたんだねぇ〜・・・何震えているんだいぃ?寒いの?」
寝起きらしいとろ〜んとした口調で話すブリジット。無言で首を横に振る。
ブリジット「あぁ、そっかぁ〜・・・昨日の事を思い出したんだねぇ〜?・・・ちょっと横、失礼するねぇ〜。」
そういうなり、ユキが今体を起こしている横に座り、急に体を引っ張ってきた。
ユキの横顔が、ブリジットの胸の部分にすっぽり収まる。
ユキ「なっ・・・ななな!?」
その状態に慌てふためくユキ。
しかしブリジットは相変わらずとろ〜んとた表情をしている。
ブリジット「あれれぇ?昨日助けた後こうしたら落ち着いたからやったんだけど・・・だめだったぁ?」
あ・・・相変わらずデリカシーのない男ねこいつは・・・。
そう頭の中で思ったが、その反面今とても安心している自分がいるのも事実である。
さっきまで恐かった、すごく恐かった。 でもこうしていると守ってもらってるような感じがある、とても落ち着ける。


ユキ「ちょ・・・ちょっとこうしててもいい?・・・恐いのよ、すっごく。」
そう問い掛けるが、返事がない。
上を向いてみると、ブリジットはまた寝始めていた。
やっぱこいつらしい・・・。と呟き、少し吹き出してしまう。
・・・たまには口喧嘩も休戦して甘えてみるのもいいか・・・。
そう思い、彼の胸に甘えさせてもらうことにした。
ユキ「暖かい、な」
そう、気がつくと喋っていた。
しかし、ユキは気付いていなかった・・・この場面は見られていたのを。
時「ブ、ブリジット殿はどこまで天然なのだ。じゃ、じゃなくて・・・ぐ、なんだこの甘い雰囲気は・・・早く終わってくれ・・・」
時が耳までも真っ赤にして寝たふりをしていた。
幸いこちらを向こうとする素振りをしなかったので、何とかばれなかったものの・・・
時談いわく、この時間はいつもの三倍近く長く感じた、だそうだ。



ブリジット「ん〜・・・よく寝たぁ・・・ん?ユキ何やってんの?」
腕を、思いっきり天井に向かって伸ばす。
・・・!?
急に、得体の知れない寒気を感じた。
その寒気を感じされていたのは・・・ユキだった。


先程のやり取りをさっぱり忘れているようである・・・怒りを隠し切れずわなわなと震えるユキ。
ブリジット「な・・・何震えているの・・・かな?」
顔が引きつるブリジット。
次の瞬間、ユキの中で何かが音をたて切れた。
ユキ「あ・・・あんたさいってーーーーーーーーーーーーー!!!」
突如、おもむろにパンチが振るわれる。
避けるな、という時の予想を覆し派手に壁に吹っ飛ぶブリジット。
周りに激しい激突音が響く。
時「ブ・・・ブリジット殿!?」
即座にブリジットの安否を確認すべく、立ち上がって近づいていった。


・・・なんであいつ、起きてるのよ!
ユキ(ま、まさか・・・見られた?)
そう頭の中で呟いた時、顔が異常にまで熱くなっているような錯覚に捕らわれる。
耳も、まるで沸騰しているかのように熱い。
こ、こんの覗き魔ァ・・・!!


時「・・・また寝始めたの、か・・・しかしさっきのはさすがに頂けないな、さすがにユキ殿が可哀相すぎる・・・ぁ。」
その時の発言に、震えるユキ。
時はしまった、と思ったがすでに時遅し。時に向かってユキがゆっくりと詰め寄る。
ユキ「あなた・・・もしかしてさっきのやり取り見てたわね・・・?盗み見とはやけにいい趣味しているじゃないの・・・えぇ?」
そういうと同時に、背の違いが何のその、時の胸座をがっと掴む。
時「あ、いや・・・その・・・いやはや今日はいい天気だな、ユキ殿。」
そう笑いながらあきらさまに無理やりな話を切り出す。
しかし、相変わらずユキの憎悪にも似た目つきの矛先は変わらない。
時の横顔から。一筋の冷や汗が垂れる。


イング「わ!さっきの音何!?何で時さんの胸座掴んでるの!?・・・って何でブリジットさんなんでそんな姿なの!?」
アリス「ね・・・ねぇ、さっきの音なにぃ・・・?・・・貴方達何やってるの?」
その言葉と同時に、アリスから非難の視線が向けられる。
イングがあせあせとする中、時は安堵の表情を浮かばせた。
ちっ・・・と小さく舌打ちをした後、時の服をゆっくりと手放す。
ユキ「ちっ・・・時君、また後でね☆ 皆おっはよ〜!調子はどお〜?」
アリスとイングの方を向くユキ。
時「ブリジット殿は朝が弱くてな、もうちょっと寝かしておく。・・・お前等は顔でも洗ってくるといいだろ。」
その声に反応したのはアリスであった。
アリス「は〜い、じゃあユキ!イング!ちょっといこうよ〜!」
そういうなり二人を引っ張っていくアリス。三人が部屋からいなくなる。
時「相変わらずだこの御方は・・・まったく。」
そういって、ふぅ・・・とため息を一つ。
結局、ブリジットがちゃんとと起きたのは昼すぎだった。



ブリジット「やぁ皆おはよう!いい朝だね!」
一同「おっそ!」



やっとブリジットが起きたので、時が宿の店員に頼んで昼食を運んできてもらった。
昼食を食べながら、イング達は昨日からまったく何も食べていない事を思い出した。
イング(・・・どうりで、異様においしく感じたんだな)
そう思いながら、ご飯を無我夢中になって食べる。
ブリジット「お前等ゆっくり食べろってばー!てゆか飯を持ってかないで冒険なんて・・・お前等色んな意味ですごいな。」
苦笑しながら、目の前のパンを食べるブリジット。
ゆっくりと食べるブリジットを、イングが笑いながら視線を向ける。
イング「ブリジットさん、相変わらずご飯食べるの遅いですね。僕等もう食べ終わっちゃいましたよ?」
え?と声をあげ、周りを見渡すブリジット。
一周見渡した後、「イング達が早いんだよー」といってまた食べ始める。
アリス「でもさ・・・昨日の人たちなんだったの?人間同士の戦闘はいけないはずじゃなかったの?」
その発言に、神妙な趣で頷く二人。
場が、重苦しい空気につつまれようとした時であった。



「その内容、俺が話そっか?」
という声が、静かな部屋に響き渡る。
振り向くと黒い髪の毛、肩まで掛からない程度の長さ、そして白い角を額に生やした男性が立っていた・・・白い角?
どうやら外見からアサシンのようだ。
そのアサシンを一瞬確認するなり、時の表情がさっきと一転して不機嫌そうになる。
時「やぁみたらし殿。・・・元気そうだな。」
みたらし「やぁ時さん。相変わらずブリさんにくっ付いているようだね、ご苦労さん!」
そう言うなり、時が"みたらし"と呼ぶ人物に向かって歩いていく。
・・・なんか雰囲気がとても気まずい。
時「相変わらず言葉の使い方がなってないな。・・・その体に嫌って程わからせてやろうか?」
みたらし「ははは、相変わらずジョークがうまいね〜・・・俺がもっと上手い言葉使い、教えてやろうか?」
その言葉の終わりと同時に、おぞましい程の殺気が辺りに充満し始める。
イング達があっけにとられてる中、ブリジットがにらみ合ってる二人に対し文句の言葉を投げかけた。
ブリジット「あぁもぅ!私の前で喧嘩するな!ご飯が不味くなるだろー!!」


こ、この人は・・・
イング達は別の意味であっけにとられる中、パンをまた食べ始めるブリジット。
その姿に毒気抜かれてしまったのか。
笑いながらみたらしと呼ばれたアサシンは、額にあった白い角を取り外しイング達の近くに向かってくる。
みたらし「はは、さっきのは流してね、よくあることだから」
そういって、屈託の無い笑顔で笑う。
その時、急にイングが何かを思いついたかのように、アサシンに向かって質問を投げかける。
イング「みたらしって・・・まさかブリジットさんのギルトの一員の方ですか?」
その問いかけに頷き、話し始めるみたらし。
みたらし「これはこれは!へぇ、君がイング君、後はこの女性と、ん?君は子供も連れているのか?珍しいな。」
その発言に対し、顔を膨らませてユキが近づいてくる。
あきらさまに怒っている表情だ。
ユキ「なっ・・・!なんて失礼な奴よこいつ!!私は子供じゃないわよ!」
その発言に、わざとだろうか、驚いてみせるみたらし。
その表情を見てから、一層ユキが機嫌を悪くさせる。
みたらし「冗談はさておき・・・それでは改めて自己紹介させてもらうわ」
こほん、と咳き込みをする。


みたらし「俺の名前はみたらし、アサシンだ。主にこのギルトでは情報収集などの担当だな」
そういうなり「よろしくっ」と威勢の良い声を出す。
雰囲気も明るいし、もしかするとムードメーカー的存在かもしれない。
アリス「あ・・・情報収集って、何か調べているんですか?」
その質問にみたらしが答えようとする前に、ブリジットがその発言を遮る。
ブリジット「さて、と。君達、もしかして冒険するとか言っといて飯とか非常食とか、何も持ってって無いでしょ〜?」
・・・返事がこない・・・てことは、図星だな。
苦笑しながら、ブリジットがお金をイングに渡す・・・総額およそ50k辺りといった所か。
初心者のイング達にとっては、随分な大金である。
ブリジット「それで飯買い揃えてこいよ〜!冒険中に餓死は笑えないぞ?さぁ、買ってきなって」
背中を押しながら、イング達三人を宿の外まで連れて行く。
半ば何故か急ぎ気味にも見えたのは、気のせいか・・・。



ブリジット「馬鹿だなー・・・あの話をあの三人にするつもりかい?情報収集役がそれじゃ困るよ〜?」
そういうとなり笑ってみたらしを見る。
「すみません」と声を漏らし、苦笑してみせるみたらし。
時「さて、本題に移らしてもらおうか。・・・どうだ、奴は見つかったか?」
その質問に対し、雰囲気を変え答えるみたらし。
みたらし「ブリさんがいってた玉藻前(たまものまえ)、だったか、・・・言われた通り不思議な雰囲気のする女性だったね」
その発言に、時が過敏な反応を示す。
みたらし「一応見つけた。職業は騎士、たしか片目に眼帯をつけた金髪の女性で当ってるよな?あと・・・」
そこで一旦言葉を切り、再度改まった表情で二人を見る。
みたらし「・・・どうやら、こいつは随分を人を殺してるな。まぁ、過去に色々あったようだが・・・」
その場が一瞬沈黙状態となる。
ふぅん・・・と、軽くブリジットが声を漏らした。
みたらし「場所はフェイヨン地下五階、どうやらあそこの主の狐達が目当てのようだな・・・これもまぁよくある普通の事ですが」
そういって一息いれるみたらし。
息をついたと同時に、表情を少し厳しくさせて、ブリジットの方を向く。
みたらし「しかし・・・何でまたこの女性に執着してるんだ?個人的な理由でも?」
その発言に、小さく、気づかれない程度にわなわなと体を震えさせる時。
そんな時を見ながら、ブリジットが口を開く。
ブリジット「女性を・・・」
みたらし「女性?」
あまりの突発的な発言に、ついつい声が裏返ってしまった。
どうぞ、と続きを促すジェスチャーを入れる。
ブリジット「私達の知り合いのの女性を助けるためですよ。はは、なに、みたさんの言う通り個人的な理由さ。」
そういって、眠たそうに欠伸をする。
しかし、みたらしには時が先程から非常に殺気だっているのに違和感を覚えてならなかった。
みたらし(普段は冷静な時さんがここまで殺気立つ、か)
すると階段ががたがたと激しい音を鳴らしている・・・どうやらイング達が帰ってきたようだ。



ユキ「ねぇねぇ、ブリジット達におみやげっ!ほらこれこれ!キャンディ!甘くておいしいのよ〜!」
笑顔を振り撒きながら、ブリジット達に一個づつその飴を渡していく。
平和なやりとりに、時も平常心を戻しつつあった。
そんな中、恐縮したように、イングがブリジットの方を向く。
イング「本当にありがとうございました。こんな大金僕達に渡しちゃって平気なんですか?」
軽く手を振りながらブリジットは「構わないよ〜」と笑って答えた。


そんな他愛もない会話が続いた時。
アリスが、真剣な趣でみたらしに声をかける。
アリス「すみませんみたらしさん・・・よろしければ先程の話、してもらえませんか?」
その質問を聞いた後、みたらしは何故かブリジットの方を向いた。
ブリジットと時が、窓の方向を見るなり不意に立ち上がる。
ブリジット「・・っとと、すまないが私達はちょっと用事で街の方にいってくるよ。みたさん、後の説明とかよろしくね♪」
その話に対し、静かに頷くみたらし。
ブリジットがみたらしの耳の近くで何かぼそっ、と喋ったように見えた。
ブリジット「我々の客人のようなんでね、私達に任せていいから、みたさんはイング達を頼むよ」
みたらし「了解・・・ここから存在が感じ取れるって事はどうせ奴等の下っ端だろ、いつもの事だが気をつけてな」
ブリジット「ういうい、わかっているさ・・・じゃ皆!いい子にしてるんだよ〜〜!」
話が終わったとと同時に、時とブリジットが外に出て行く。
その後ろ姿を、少々呆けながら見守る四人。
・・・相変わらず忙しい人たちである


みたらしが、改まった顔つきで三人を見る。
みたらし「まずどこから話すか・・・あ、今の現状をまず教えとくか。初心者訓練所もこういった所教えるべきだよなぁ・・・」
そう、頭をかきながら愚痴を溢す。
どうやら初心者訓練所では教えてくれない内容の話のようである。
みたらし「今、世界が混乱を招く時に現れるという、ギルトの象徴としても使われるエンペリウムが大量に発見されてるんだ」
その言葉に、え!と声を上げるユキ。
慌てて自分の首に掛けていた"エンペリウムの欠片"を見る。
ユキ「え!?これってあんまし良い物じゃないの?」
だなぁ、と軽く声を上げる。
みたらし「さらに、今俺等が冒険しているのは、基本的に国王の命が発端となっている。
     エンペリウム大量発生の原因を突き止めろ、ってな」
その言葉に、少し動揺の色を見せる三人。
みたらしは話を続ける。
みたらし「それで、王の信頼を得たい奴や自分の力を試す奴、まぁ色んな理由で皆旅立った訳だが・・・少し困った事がおきてな」
そういうなり、少し苦笑するみたらし。



みたらし「ある時、急に人同士の潰しあいが始まってな。その原因はよく解ってないんだが、何かが切れたかのように・・・いきなりさ。
     人同士が戦うのを、通称に"PK"と呼ばれている訳だが。
     その潰しあいが過激になってきてな、それに便乗して殺人快楽者まで出る始末だ。

     やられた奴は、強い冒険者を雇い復讐を。
     その冒険者に殺されないように、余計に強くなろうとする。
            つまり、嫌な連鎖が出来始めているってことだ。
     そんな中、良いカモである初心者は格好の餌食なんだよ。これが、お前等が襲われた根本的原因だな」


イング「そ、そうだったんですか・・・」
戸惑いを隠せず、ついしどろもどろとしてしまう。
そんな自分を気遣ってか、みたらしは表情を明るくさせている。
が、立ってるのが疲れたのか、近くのベットに倒れこむみたらし。
みたらし「まぁ、お前等は運が無かったってだけさ・・・あ、そうそう。」
運が無いだけで殺されそうになるのか・・・
不意に、そんな言葉が浮かんだ。
そんな中、何が気が付いたように体を起き上がらせるみたらし。
みたらし「ま、用は強くなればいいってことだけさ」
さらっと、目標ではあるが難しい事をいってのける。
・・・しかし、それしか思いつかないのも事実であった。
アリス「その・・・失礼かもしれませんが、質問いいですか?」 どうぞ、とみたらしが先を促す。
アリス「ブリジットさん達は、そういう人達に出会ったりするんですか?」
その問いかけに、不敵ににやっと笑みを浮かべる。
みたらし「あぁ、俺等に関しては他と違って異常なまでにぶつかるなぁ」
イング「なんでですか?」
アリスが言おうとしていた言葉を、すかさずイングが言う。
表情は崩さず、一言。
みたらし「ブリさんが、何故かは俺も知らんが・・・おぞましい量の冒険者に恨まれているからさ」



話が終わって、各自がゆったりとしている時。
ドアのノック音と共に、宿主が何やら紙切れを持って部屋の中に入ってきた。
宿主「あの・・・すみません、先程あなた様方に渡すようにと頼まれたのですが・・・」
そういうとなりイング達に渡し、「それでは」とそそくさと戻ってしまった。
> 中身を見るなり、イングが呆けた表情をする。
アリス「え・・・どうしたの?何て書いてあったの?」
そういってイングの隣に立つアリス。
手で頭をおさえてその紙切れを渡すイング。
アリス「何々・・・」

「やっほ〜!皆元気にしてるかな?ブリジットだよ!・・・えとね・・・なんといいましょうか・・・。
にゃはは、ポタでフェイヨン行こうとしたら何故かオークダンジョン前に来てしまった訳です。
なんかはめられたなぁ・・・。まぁともあれ来てしまった以上しょうがないのでここで少し時間を潰しま〜す。
イング達はバッタとか倒して力をつけろよ!あ、みたさんには他の任務お願いね〜と言っといてねん。
あ、今度また会おっか!そだね・・・一週間後くらいにプロンテアのこの宿前でまた再会といこう!
それじゃがんばってね〜。   ばいブリジット〜」


ユキ「うっあ最悪・・・」
他の二人もため息を漏らす。
・・・先ほどのみたらしの話が、少々信じられなくなってきた。
その内容をみたらしに伝えるイング達。
話を聞くなり、思いっきり吹き出すみたらし。
みたらし「ははっ、相変わらずだなぁブリさんは・・・まぁいいや、それじゃ俺もいくかな・・・っと」
そういって、ドアに向かって歩き出すみたらし。
ドアを開け、出て行く様に、ぼそっとみたらしが声を発する。
みたらし「俺等と関わるという事は、危険を意味する・・・あまり、俺等と直接のコンタクトは取らん方がいいぞ」
自分なりの忠告・・・しかし、これを言っとかなければ、彼等は訳もわからず死ぬだろう。
それだけは避けねばならない。
後輩がいなくなるのは寂しいが・・・。
イング「でも・・・僕等は平気です!きっと・・・きっと強くなって、皆さんと胸を張ってまたお会いします!」
・・・はは、聞いたか?
自分の身が危険になるってのに、な。
みたらし「そうか」
そう、素っ気無く返事をする。
しかし・・・これは、自信を持っていえること。
この返事をしたときの俺は、最高の笑顔をしていただろう。



口笛を吹きながら、宿屋を後にする。
みたらし「ふふ、面白い後輩が出来たものだなぁ。セニアさん多分会ったら気に入るだろうなぁ・・・。」
そう呟き人込みの中に入るみたらし。


「さて、と」とイングが言うなり身支度をする三人。
新たな決心が出来たのか、三人に迷いの色はない。
ユキ「私達も強くなりましょっ!皆、気合いれて生きましょうね!」
そういって二人に活を入れるユキ。
その声に威勢よく返事をする二人。
アリス「そうね・・・ユキの言う通り!まずは私達が強くならなきゃ!頑張りましょう!」
三人の雰囲気がいつも通りに戻ってくる。
イング「うん!まずはバッタ型モンスターを倒してどんどん強くなってこう!」
そういって、機嫌よく宿を出てバッタ型モンスター"ロッカ"の居る草原を目指す三人であった。



一方その頃。
ブリジット「にゃはは!まっさか追いかけてったら速攻飛ばされるとはこりゃ笑いもんだね!」
といって腹を抱えるブリジット。反対に時は思いつめた表情をしている。
時「まさか・・・我々をフェイヨンへ近づけないためか・・・?」
確かにここに飛ばされたのにはまったくもって意味がわからないのが現状だった。
時が判断つかず考え込んでるのも仕方がないだろう。
その時である・・・ブリジットが、急に笑うのを辞め目線をオークダンジョン入り口に向けた。


オークダンジョン・・・オーク達の死体が蠢く生無き領域。オーク達は死んだ仲間をここにもってくる慣わしがあるらしい。
その死体に邪念が宿り生きとし者すべてを恨むモンスター"オークゾンビ"や"オークスケルトン"等が生息する有名なダンジョンである。
深い深い地下に潜ると、長である"オークロード"が住んでいる。
彼を見て助かった奴はいない、と言われるほどの力を所持した、強敵である。


時「どうしたのだブリジット殿・・・?」
すると何も言わずぺこぺこを走り出させるブリジット。時も慌ててついていく。
ブリジット「ダンジョン内部から強い殺気が漂ってる・・・どうやら人が襲われてるね」
そう言う事か・・・理解したかの様子で後を追いかける時。

中で、激しい戦闘が行なわれているのを時はまだ知るよしもなかった。



つづく




〜あとがき〜
いやはや、いきなり課金が始まり新しいストーリーが公開され躍起になって修正をしている今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?ブリジットです。
さて、課金に動揺してる中、おもしろい話が転がり込んできました。内容は澄人様と小説内の世界がリンクする事となった事です。
私も乗り気で早速あちら様の一話目に合わせてみました。次回は早速澄人様の一話目を私のブリジットの視線で書かせて頂きます♪
・・・一応言っときますがブリジットが主役ではないですからw イング達はLv上げって事で地味そうな内容になりそうなんでねw
それでは次回、お楽しみにです!それでは♪
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